『不動産投資にだまされるな 「テクニック」から「本質」の時代へ』
こちらは、題名ずばり不動産投資の本です。
2018年11月に初版なので、「かぼちゃの馬車」のシェアハウスやレオパレスなどのサブリース契約などの問題も解説しています。
ずいぶん前のように思えるけれど。
代々資産がある人が行っていて成功している不動産業は、きちんと自分で理解し奇抜な税金対策などとらずごくまっとうに行っている。
サービスの進化でハードルが下がって一般庶民まで行えるようになったが、数字や法律に弱い「専門家に任せておけば安心」の人が参加できる業界ではない、と断言している。
著者の言うことが、私の不動産経営の方針と合っているので読んでいてストレスがなく、また自信にもなりました。
軽い気持ちで「将来の年金の補填に」と始められるようなものではないと言ってます。これから不動産投資を始めようと思っている人はぜひ読むべき。
確かにアパート経営をすれば収入は増えるかもしれませんが、
借金をしてはじめたとしたら、返済に追われ、税金や経費もかかるし手残りはサラリーマン時代より減るかもしれないですよ。
証券マンは株を買えないのに、不動産の営業マンは物件を買える。
本当に良い物件なら自分が借金してでも買うのにそれを勧めてくるのは「買ってもらって儲けたいから」と。セミナーなんてまさにネギカモ状態ですよ。
大家さんが、自分の利益を増やしたいならできるだけ間に業者を入れないこと。
著者は家賃収入が年2000万円以下なら、管理会社も税理士も入れず、掃除やリフォームも(障子の張り替えくらいなら)自分でやるべきと言っています。
確かにねぇ、客付けは不動産会社に頼むとして(仲介手数料はとられるけど)、
確定申告なんか自分でできるし、リフォームや掃除も自分でできるし、または自分で業者を探して相見積もりとらせて頼むことも可能。
管理会社の言われるままに紹介された業者に頼んで言い値で払うなんて怖すぎる!
業者を探せない?
サラリーマンなら仕事で新規の取引先を見つけることをしてるじゃないですか。
それくらいのことができないで不労所得を得ようなんて甘いと思います。
それに、築浅の頃なら特に手間がかからないので管理料は取られ損ですよ。
私も最初の頃は、空き室になるたびに家賃を下げざるをえなかったけど、下げ止まったら家賃はまるまる手に入るからお得な感じです。(税金はかかるけど)
もちろん、入居者さんには必ず家賃保証会社に入ってもらうことをお勧めします。
連帯保証人には逃げられることもあるし(かつて逃げられそうになったことがある)、
まず保証会社の審査が通ることを入居の条件にすることが大事だと思います。
(普通のOLさんなのに、保証会社の審査に落ちた方がいて断ったこともあります)
自分で取り立てをするのはしんどいけど、家賃保証の会社はプロなので。その保証会社の利用料を払うのは入居者で、それすら惜しむ人はちょっと危ないから断ってもいいと思います。
第4章の「絶対に負けられない人のための12の鉄則」にはへぇーと思うこともありました。
・35年間地価が変わらなかった場合に、買い替えと保有であれば保有のほうが資産は増える。(なんと!地価が10年ごと10%上がった場合も10年ごと10%下がった場合も保有のほうが有利なんです)
→買い替えは積極的に考える選択肢ではないようです。
・売却についても例を示しています。「持っているより売却したほうが得」というケースは限定的なので、早合点しないようにとも書いています。
などなど。
自分も大家だけど、ローンを完済するまではハラハラでした。
15年の返済期間を2度の繰り上げ返済で11年に縮めて完済し、
やっと自分のものになりほっとしています。
これから不動産投資を始めようと考えているみなさま、
メディアに出てくるような「スター大家」さんを目指さなくてもいいので、
でも人任せにせず、自分で判断して堅実に資産を築いて安定した生活を目指しましょうね。