最近、家づくりの話ばかりなのでたまには違う話を。
家づくりで夫婦で折半で費用を出せるのも私が主婦大家だからなので、
たまには大家業の話を書いてみようと思います。
私の物件の話
私は12年前に築12年の中古アパートを買いました。
賃貸経営業者が作るような小ぎれいなアパートではなく、もともと鉄骨のビル事業所だったところをアパートに改装したような物件です。
どうも私は平成8年築を「築8年の物件」と思っていたようです(笑)
今回久しぶりに記録を見直して誤解を発見。
いずれにしても中古物件です。
色々ありましたが、15年のローンを11年で返済し、余裕ができました。
これからその色々を少しずつ書きます。
でも、私は「たまたま運が良かった人」だと思います。
投資はあくまでも自己責任でお願いします。
(海外旅行中に現地で仲良くなった人の家に泊まらせてもらって楽しかった武勇伝を聞いても、実践しようと思わないですよね?)
値下げ交渉・共益費
買った当初は中も設備も割合きれいで「築浅で行けますよ!」と近所の不動産屋さんは「築浅」で募集をかけてくれました。
今思うと築浅の根拠は特にないみたいです。
私が買えたのもリーマンショック後の不況によるものだったのかもしれませんが、
そのとき1室空きで買ったもののその後空室が出るたびに値段を下げることが続きました。
65,000円の部屋を家賃64,000円、共益費1000円にして、検索するときに65000未満で引っ掛かるように下げるようにした部屋で、
不動産屋さんから「今見ているお客さんがあと千円でも二千円でも安ければっておっしゃってるんですけど・・・」という電話があって、
「今決めてくれて、審査が通ったら共益費無しでいいです」と返事したことも。
家賃を下げると更新料は家賃一か月分で取っているため、更新料が減るので下げるなら共益費という考えが私にはあったので。
なので、現在の入居者のうち共益費千円が無い人もいます(涙)
共益費って言ったって、共用部の掃除は私がしていて、掃除用具と共用電気代分だけなんですけどね。
一時期ゴミ出しのルールが悪くなってゴミ捨て場が汚くなったときには、
各部屋に「今は大家の私が掃除をしているので、共益費は低いですが(もらってない人には共益費はかかりませんが、とした)、これ以上汚くなったら専門の管理業者に委託するので共益費が高額になります」と書いたら、徐々にゴミ出しのルールが守られるようになりました。
現在満室経営2年超
家賃が下げ止まったのと空き室が無くなったのは、「猫可」にしたからです。
これ以上下げたくない、と思ったときにふと不動産屋さんから「猫はダメですか」と聞かれたことによります。
猫を飼っている人からは、退去後に壁紙全部替えになるので敷金を2か月取れます。
そして、何より都内で猫を飼いたい人の需要の多さ。
2年以上満室が続いていますが、今もたまに不動産屋から「空き室出ないですか?」と問い合わせが来ます。
思い出の入居者さんその① おじいちゃん
そのおじいちゃんは私が買った時にはすでに住んでいて「あんたが新しい大家さんか?」と掃除に行った時に声をかけられました。
年金暮らしでいつも家にいるためか、たいてい掃除のときは会いました。
世間話などよくしました。
他の入居者さんの噂話が多かったのですが、これが案外役に立ちました(笑)
秋の落ち葉がすごいときは「もっとマメに掃除に来い」とか言われましたが、「会社勤めをしながらローンを返しているので管理会社も入れられず大変なんです」と答えると、
「親の遺産じゃないのか?そうか、勤め人がやってるんなら仕方ない」となぜか納得してくれました。
女性の賃貸経営はその頃はあまり一般的ではなく、親の遺産か離婚時の慰謝料代わりと思われていたようです。
(「離婚時の慰謝料」は別の人に言われました。「そっちはゆとりがあるだろうけど、こちらは賃貸暮らしなんだから、負担できない」と窓ガラスを割っておいて開き直られた。ガラス代はもらいましたけどね)
話が脱線しすぎました。
私が買ってから2,3年後くらいからだんだんとおじいちゃんの部屋の前の廊下に物が出始めました。
段ボールとか、壊れたビニール傘とか。
嫌ーな予感。もしかして中が汚部屋になりつつある?
完全地デジ化した後、ゴミ捨て場にブラウン管型テレビが捨ててあったときに、おじいちゃんかと思い問い詰めましたがしらを切られました(疑わしい人はもう一人いたので問い詰めず)
結局、私が処理用のシールを買って処分しました。
ある日天祐が!
おじいちゃんの保証人は近所に住む兄。
おじいちゃんに家族はなく、お兄さんには家族がいますが、兄弟でさえ危なっかしいのに甥や姪がなんとかしてくれるとは思えなくて、いつか来るリスクにおびえていました。
自転車で出かけたりして、まだまだ元気そうでしたが、すでに70代も半ば。
いつ何が起きても不思議じゃない。
そんな中、おじいちゃんから「来月引っ越す」との連絡がありました。
施設に入るほどではないし、不思議に思って理由を聞くと、
加入していた年金基金が解散してもらえる年金が下がり家賃を払えなくなるから。
なんと!そんなこともあるんですね!
そして、福祉事務所で紹介してもらった高齢単身者用のアパートに引っ越すそうです。
「ただ、ここよりもかなり狭いし、駅から遠くなる」とぼやいていましたが。
助かったーーー!!
私にとってはありがたい話でした。
元気にしていたけど、やはり体力はなくて引越は大変そうでした。
引越日と明け渡しの日の連絡は受けていたので、明け渡しの日に行ってみたら、まだこまごまとしたものが多く残っていました。
引越の日までに間に合わず、とりあえず家具などの大物を持っていってもらって残ったゴミなどはこれから捨てるという話でした。
前月末までに支払う当月家賃。
明け渡し日までの日割りでしか入ってなかったけど・・・
来たついでにゴミ出しなども手伝いました。
将来の心配が一つ減ったことで優しい気持ちになっていたので。
結局、掃除ができるようになったのは翌々日。
おじいちゃんはたばこを吸わない人だったので、壁紙を替えれば建具などの汚れはたいしたことないので、普通に掃除すれば大丈夫でした。
もちろん、ハウスクリーニングは自力でしましたよ!
この部屋は、私の物件の中でも日当たりがよく広めの部屋なので、強気で値段設定していましたが、春先の良い時期3月上旬に決まらなかったことですっかり弱気になり、
最終的に家賃を4千円下げました。
これならおじいちゃんが払えたんじゃないかしら。
これは、私の大家業の中でも運が良かった話のベスト1です。
今は、入居者さんには保証会社を必ず通してもらうようにしています。
古くからの入居者さんには保証会社に入っていない人もいますが、
そのうち、家賃保証だけでなく高齢者の事故などに備えた保険も検討しないとと思っています。
私は小心者なので、なるべく高齢者は入居させたくないです。
長く住んでいる方が高齢になったのは仕方ないけど。
今住んでいる高齢の方は60代前半の独身女性でまだパート務めをしています。
さらに、彼氏さんがいるんです。
だから、お部屋もきれいにしているし、彼氏さんにも「大家さんですか、こんにちは」と挨拶もされています。
彼氏さんが来るなら知らない間に・・・なんてことはないはず。
ここのお部屋も猫ちゃん飼っています。
もう少ししたら、彼氏さんと二人で住むようにどこかへ転居なんて幸運がまたおきないかしら。