日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

浅田次郎「プリズンホテル」夏・秋・冬・春を読んで

後輩がお薦めしてくれた小説。
私が読んでスッキリする話が好きと言っているからか、
彼女はいつも娯楽性の高い楽しい小説を教えてくれます。
「万能鑑定士Q」のシリーズも面白かった。

さて、今回の「プリズンホテル」
ヤクザの親分が鄙びた温泉ホテルを任侠団体専用ホテルにして、
どんな訳ありの人でも拒まず心からくつろげるようにしたというのが舞台。
登場人物たちも多種多彩。
やくざたちも暴力団というより、義理人情に厚くて礼儀正しい。
雇われ支配人や板長、シェフといったやくざではないスタッフもそれぞれいい味出しまくり。
フィリピン人の仲居さんや従業員も良い感じ。
支配人と板長が「本物」感満載ですごく好みです。
毎巻ごとに出てくるゲストのみなさんも良いのですよー。
面白くて、ついつい一気に読んでしまいました。
教えくれた彼女、ありがとうございます。


しかし、この小説の主人公(?)の小説家がちょっといただけない。
母親が父親の部下と駆け落ちして捨てられたので精神年齢はその時の7歳のまま。
後妻を苛め抜き、美人だけどちょっと頭の弱い愛人とその子供にも暴言・暴力は日常茶飯事。
それが彼なりの最大級の愛し方らしいけどねー。私はそんなの嫌ー。
根っからの悪人ではないので、彼女たちは彼を理解して愛しているけど、
そんな男とつきあうくらいなら私は独り者でもいいもーん。


このホテルはヤクザの叔父の物だけど、
実の母とその駆け落ち相手が働いていたりする。
どうも、叔父さんは親子関係を修復させようとしている様子。
なかなかその気持ちが本人には伝わらず酷い有様なんですが、
このホテルに泊まって事件に巻き込まれていくうちに
止まった時間から人間として成長していきます。

これ、絶対ドラマ化したら面白いハズ!と思っていたらずいぶん前にドラマ化していたそうです。
でも、その時は主人公の設定を女性に変えて松本明子がやっていたとか。
ダンディーでカッコイイやくざの叔父さんを武田鉄矢・・・たんなるドタバタな感じ?残念。

ということで、私なりにキャストを考えたりしてたけど、
このところ日本のドラマを見ていないから俳優さんの名前を忘れてしまって、
「あのドラマに出ていたコワイ50くらいの男の人」とかそんな風にしか思い浮かばないので
発表は控えさせていただきます。