日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

今更ですが「村上海賊の娘」読みました

図書館でやっと借りられた 和田竜作「村上海賊の娘
この週末一気に読了。
昨年、しまなみ海道を通って瀬戸内旅行をしたので、懐かしい地名がちらほら。

天正4年、
織田信長と大阪本願寺の戦いが7年目に入り、
長篠の戦で武田軍に大勝し織田の勢いがいよいよ強大になりつつ、
兵糧の補給基地だった越前一向一揆も制圧され、
大阪本願寺と織田軍の全面戦争になりそうな時に、
西国から兵糧を入れるために毛利氏に援軍を頼むところから始まります。

毛利氏にも海軍はありますが、本願寺を救うだけの兵糧を入れるとなると
瀬戸内の海賊の力を借りないといけないということで
(毛利氏、小早川氏に属している村上氏もいますが)、
独立勢力の能島村上氏が依頼に応えるかにかかってきます。
タイトルの「村上海賊の娘」とはこの能島海賊の姫様です。


これ以上書くと読んでいる人にはうんざりで、
読んでいない人にはネタバレとなるのでざっくり省略しますが、

感想を一言でいうと、
姫がよく言えば純粋、悪く言うと思慮が浅くて、
ただ腕が立つだけの女の子って感じでハマれないーーー。
出てくる他の武将たちは魅力的な人が多いんですけどねー。
心理的なところを描くのがうまいなあと思うのですが・・・

家の存続のために戦う武将たち。
そのためには主を裏切ることもアリ。
というか、戦況を見て同盟者を裏切ることも想定内の時代。

一方、極楽往生のお礼として本願寺を救うために大阪入りする一向宗門徒たち。
といっても、農民や漁民たちで、いざ戦闘となるとひるんでしまうが、
「進者往生極楽 退者無間地獄」の言葉に退かずバタバタと倒れる。

戦が勇ましく華々しいだけのモノじゃないと現実を知る姫。

この登場人物たちの描き方がいいですねー。
個人的には、毛利家直属の警固衆、イケメンの児玉就英、
泉州を束ねる触頭、マジメな沼間義清が好き。
豪快な泉州海賊の頭首真鍋七五三兵衛もいいけど、
この泉州の二人がお互いを認め合うところも私は見どころの一つだと思います。

だけどだけど、戦闘シーンが多すぎ。
昔だったら強い武将が出てくるとワクワクしたりしたけど、
銛で串刺しになるシーンなんか出てくるとゲンナリしてしまうあたり、
年取ったのかも。
映像の世紀」(NHKのドキュメンタリー番組)で遺体の映像を見たりしたからか、
目に浮かぶような戦場の描写にヘコタレマシタ。
姫が傷を負っても戦い続けられるのも不思議ー。普通は死んじゃうでしょ。
こういうのがエンタメ系の小説なのね。
のぼうの城」と同じく盛り上がる歴史小説でした。
この著者のほかの小説も読んでみようと思います。