日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

読書の秋2016 一言メモ

 
読書の秋ということで、色々読み散らしていますが、「これ!」というものに出会えず。
ネタバレにならないようにあらすじ書かないので、何年かしたら自分でもわからなくなりそうな一言感想メモ。
 

西加奈子サラバ!

 
図書館で予約して1年越しでやっと届いた。
評判が良かったので期待して読んでいたのですが、
お姉ちゃんの子供の頃の問題児っぷりは我が甥っ子をはるかに上回り、
お母さんの奔放ぷりは我が実母を彷彿とさせ暗澹たる気持ちになり、
家族が再生するにはどうしたらいいのかすがるように見ていたけど、
後半みなが仲良く穏やかになっていくのを見て
「あれだけ好き勝手やっていたおねーちゃんがこんなに落ち着くのっておかしいぃー!」と納得いかず、
終盤で主人公が子供の頃の親友に会いにエジプト行ってから自分を取り戻していく展開もなんだかしっくり来ず。
 
普通の穏やかな家庭に育った人たちが個性的なよその家族を楽しむならいいけど、
私は毒に当たったみたいで苦しくなってしまいました。
 
阪神大震災新興宗教の事件、東日本大震災、「アラブの春」と大事件が出てきたときに、主人公より若干年上の私は「その時どう思ったか」というようなことを思いだしていました。どれももう大人だったわ・・・
 
 

湊かなえさんの「少女」「ユートピア」「山女日記」

たまたま続けて読んでみました。
「少女」は女子高生の残酷さが無邪気なだけに怖く感じた。
ユートピア」は、ある地方都市で小学生の友情から生まれたグッズから
それにかかわる家族と芸術家の女性の関係が初めの純粋なものから最後は悲劇的な終わりになるもの。
小学生も子供だけど案外したたかと思うし、
女性たちのそれぞれの思いが怖い。
私が楽観的なのかそんなに不満もないし、他人の考えを深読みしたりしないから。
人物描写が本当に丁寧で「こんな人いそう」と思わせるんだけど、
だからといって共感できる人がいない残念さ。
「山女日記」登山を始めてから読んだ本。
オムニバス形式で、いくつかで登場人物が重なって割といい話も多い。
「山に登るのに、こんなに色々考えて登ったりしてないよー」とも思う。
今度ドラマ化されるようなのでどんな脚本になるか楽しみ。
 
結論、湊かなえさんの本を読むと、目に見える笑顔の裏には何かがあると思ってしまいそう。
「大丈夫です」の裏に「気が付いてよ、鈍いんだから」が隠されていると気が付けなかった昔を思い出しました。
言葉通りの意味で話してくれてる人って案外少ないのかな?という気になって弱気になりました。
 
 

水上勉先生「越前一条谷」、「越前竹人形」「雁の寺」

今度福井に観光&登山に行くので、師匠お薦めの水上勉に初挑戦。
「越前一条谷」は朝倉義景の滅亡の話、
越前竹人形」は竹人形師の盲目的な愛の話。
「雁の寺」なんて、お坊さんとその愛人が享楽的で、小僧さんが最後殺人をする。
ざっくりとしか紹介しませんが暗すぎる!
これを大学生の時に読んでたなんて、師匠---(泣)
とりあえず、朝倉義景の一条谷遺跡は行く予定なので、思いだしてしみじみ感慨にふけります。
 

 

山内マリコさんの「ここは退屈迎えにきて」

地方都市に住む女子たちの短編集。
紹介してくれたパート先の同僚が「地方出身で東京に出てまた戻ってきた話とかなんとなく気持ちが分かる」と言っていました。彼女は九州出身で、旦那様の転勤で千葉に来た方。
東京出身だけど全く都会生活を満喫せず、いまでは千葉にすっかりなじんでる私は、
作中に出てくる女の子たちの気持ちに共感できないけど、へぇーと思って読む。
彼女たちのあこがれの存在としての「椎名君」
顔はよく、不良ではないけどヤンキーとも話ができて、女子にも気軽に声かけるし、実際モテるし、女の子たちを振ったとしても恨まれず、そこそこ成績よくて、いつもクラスの中心にいるような男子。
私の学生生活にそんな少女マンガのヒーローのような子いたかな?と思い返してみたが、
私がぱっとしなかったからそんな格上の男子と話すこともなくよくわからないのでした。
 
 
感じの悪い人とは付き合いたくなくて仕事もやめ自営業していて、
(そうは言っても、お客さんに困った人はたまにいる)
お気楽パート先や友人とも気が合って楽しく暮らしているのに、
趣味の世界の本の中で感じの悪い人に出会ってしまう偶然の不幸。
読書の楽しみは、知らない世界を教えてくれる、自分が体験できない別の人生を歩めることだと思っているのに、
本の世界でいじめられる主人公を見るときついですねー。
(韓国ドラマもいじめがきついのは見ないようにしているくらい)
 
さわやかな小説なんて、ジュニア小説とか中高生向きの部活ものだったりして、
それはそれで楽しいけど、だんだんと目線が主人公たちの親の目線。
主婦のさわやかな友情、なんてないのかしらん。
そんなにみんなお互いを嫉妬しあってるかな?
まあ、平和に暮らしていたら事件が物語にならないか。
真面目に生きている人がやっぱり幸せになるっていう勧善懲悪の話が好きだけど出会えない。
 
そんなこんなで胸がザワザワしないとなると
やっぱり紀行文とか歴史ものとかに落ち着いてしまう。
深田久弥の「日本百名山」も読んでみると面白い。
当時と違って今は交通の便も良いし、登山道も整備されているから山の趣も違うだろうけど。
福井と言ったら継体天皇なので(継体天皇は越前出身)久しぶりに古代史の本もななめ読み。
 
活字中毒なのに老眼になりかけてて、満員電車で文庫本が読めなくなって悲しい今日この頃。
椅子に座って、目から30cm以上離せば読めるけど・・・くぅー。