日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

岸本葉子「ちょっと早めの老い支度」を読んで

私はこの著者のエッセイが好きでよく読んでいるのですが、
ちょうど50歳を迎えるころに書かれた本だったのでいろいろと参考になりました。

若いころに「年をとったら緑に癒されるだろう」と思って購入した庭付きの1階のマンション。
年をとったら庭の手入れが苦痛になり、業者に依頼することに・・・
といったように、若いころに思っていた自分の老後のイメージといざ近づいている自分の老後は違う。

著者の方は父親を介護して送っているのですが(「週末介護」の本はとても興味深く読みました)、
老いというものがどんなものかも体感して、
むしろわからなくて不安だった若いころよりもわかるぶん対処の方法を見つけられるような・・というところに共感。

女性ホルモンが実は女性の体を守っているというところは新鮮でした。
閉経後は骨粗鬆症のリスクが高まるくらいで、終わったほうがいろいろ楽そうだなー、なんて思っていましたが、
女性ホルモンが減ると、高脂血症うつ病認知症のリスクも高まるとか。
女性ホルモンが脳も守っていたなんてびっくり(若い女性でも、月経不順の人は集中力や記憶力が落ちているという研究成果があり)。
まだ、更年期障害の自覚がないから、ホルモン療法は考えていないけれど、
本の中で女医さんが大豆のイソフラボンも少ないけど一助にはなると言っていたので、
これまで通り納豆毎日食べ続けようっと。

「旧交を温める」とか「地域デビュー」するといった章はなるほどと思いました。
その中の一文がまさに。
「制服でそこにいたときは誰もが、はた目に見えるほど天真爛漫ではなかっただろう。調子を合わせておしゃべりしつつ、それぞれが別のことを考え、胸が晴れずにいたかもしれない。 そうした苦さを交え、お汁粉をすすっていた時間そのものが35年をも過ぎるといとおしい。」
進学や就職で違った道を選んだ旧友とも年を取ってからなら「青春の悩みの残滓」が溶けて会えるようになったとも。

私も中学時代の友人とも細々とつながっているが(今はSNSがあるから会えなくても近況は伝わる)、
やっぱり会って話せるととても楽しいし。
利害関係がない人間関係はこれからとても大事な気がします。

賃貸物件に住んでいると、町内会にも加入しないし、子供がいないから近所に知り合いもいない。
次に引っ越しをしたら、地域のボランティアから始めてみようかな。


著者の言うには、
今している支度についても、想像力には限界があるから及ばないかもしれないけれど、
「あの時は精一杯した」とおもえることが大事だと。
充足感の積み重ねが老後を支える備えになるだろうと。
ときめきが大事とも書いてあったっけ。
最後は「女子力」とも(笑)

私は、子供もいないし、師匠(夫さん)は8つも年上だし、もしかしたら最後は長い間一人で暮らすことになるのではと不安もあるけど、
師匠のお父さんが87歳で一人暮らしをしている。
(持病で通院はしているし、家事の介助のヘルパーさんも来てもらっている)
私もあと40年くらいなんとかなっちゃうんじゃないかしら。
できることからはじめていこうと思います。
もう50歳ではなく、まだ50歳。
「年甲斐もなく」とかはこれからの女性にはいらないんじゃないかなーと。