日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

入院中に読んだ本

入院中はNetflixを見ようと思ってダウンロードして行ったのに、ヒロインの友人ががん発覚、見るのを挫折。
病棟のロビーにあった文庫本を借りてきて読んでました。

坂木司「アンと青春」

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「アンと青春」

以前にも読んだ本。ぽっちゃり系でなんの取り柄もない杏子はデパ地下の和菓子店でバイトをしている。
そこで、客や同僚たちとのやり取りから感じる小さな謎を解くといったほのぼのミステリー。
外見にコンプレックスがあり、バイトで知識がないことに悩みながらも、一生懸命学ぶ所はおばさんとしては好ましい!

子供のために食べ物に気を使う母親(放射能残量が分からないと買えない)の姿が考えさせられました。フレッシュジュースを与えたくても確認出来ないと飲ませられない。表示がある店なら安心して買えるのに…
私は福島に親戚がいて子供がいないこともあり、あまり気にしていないし、むしろ厳しく検査をしているのにと思うけど、気にする人についてはそれも仕方ないと思う。ただそれを口にしたり正義のように言うのは嫌だなと。

和菓子の用語や贈答などのマナーなどいい大人なのに知らないことが多いと反省。

イケメン乙女との恋はどうなったのか続編探そう。

青井夏海「雲の上の青い空」

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「雲の上の青い空」

こちらも日常の小さな事件を解決していく話。
入院中はこういうのがいいわ~。
元私立探偵だった主人公が(どうやらシリーズもので前作ありそう)今は宅配便のドライバーとなり、面倒見の良さから知り合った人を助けたり。
特に感動したーというのはないけど、謎トキも自然で人が死なない平和なミステリーが楽しいなと。

西條奈加「睦月童」

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「睦月童」

江戸のファンタジー時代小説。
睦月の里から連れてこられたイオという少女は、鏡の能力を持っていてその目を見ると罪を犯した者は良心が痛んで平静では居られなくなる。
日本橋の下酒問屋の央介も放蕩息子だったのにイオと出会って改心する。

江戸の街を舞台にイオの目を見て央介のように救われたものもいれば、罪の意識で苦しむ者もいたりと、なかなかこの小説は簡単な時代小説ではなさそう。
人情だけでなくファンタジーもあるから。

ラストにその睦月の里を滅ぼそうとする侍がでてくるのですが、なぜ滅ぼしたいのか、滅びるのか、その先はぜひ読んでもらいたい。

男は女子に若く美しいことを求めるから、睦月の里の女子は子を産まない限りは若い美女でいる。里を出て外の世界では同じ所に長くは居られない。
不老不死で美しい姿だけど、出産と同時に死んでしまうという設定ていかがなものか。
里長の言葉をおばさんが読むと疑問に思うけど男性読者はさもありなんと思うのかな。

葉室麟「蛍草」

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「蛍草」

武家の娘を隠して女中として務めた家は、当主も妻も優しく子供たちも可愛らしく、ヒロイン菜々は幸せを感じながら一生懸命仕事に励む。
姉のように導いてくれる妻佐知を慕う菜々だが、時代劇あるあるで佐知は病で亡くなります。
当主は藩政改革の若手の指導者的存在で、それを妬む者たちの罠にかかって北国に流されてしまう。この敵が実は自分の父を切腹に追い込んだ仇であることも知ります。
佐知を慕い、当主市之進に忠義を尽くす菜々は残された子供を、野菜売りをして養いながら当主の帰りを待ちます。
この辺りで、菜々を助けてくれる周りの人たちもいい感じなんですよね。
亡き父の遺品に父や市之進の無罪を証明するものがあり、最後はハッピーエンドです。
こういうエンタメ時代小説が入院中は良かったです。

司馬遼太郎「覇王の家」

徳川家康の話。これは夫さんの本を借りてきたもの。あんまり入院中には合わないかも。
これを読むと徳川家康ってこんな性格だったんだなと信じそう。説得力ありすぎ(笑)
久しぶりに司馬遼太郎を読むと男尊女卑が激しいと感じる。昔は気にならなかったのに、時代と共に私の認識が変わったのでしょう。前ほど司馬遼太郎を面白いと思わなくなっていました。
夫さんが国盗り物語太閤記など司馬遼太郎を続けて読んでいて、「なんだかエッチなシーンが多いけどいるかなぁ」とおじさんなのに言っていた。
新聞小説にはそういうシーンが求められたのかしら。