日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

13年4月の読書ノート

 
相変わらずいろいろ読み散らしています。
 

原発ゼロ社会へ!新エネルギー論」広瀬隆

これは、マイミクさんのお薦めだったのですが、読んで目からウロコの連続でした。
電力会社が原発にこだわる理由は、電力会社の資産がゼロになってしまうためとか。(私は前に原発に拘るのは日本がいつでも核開発できる準備が必要だからというのを何かで読んだことがあるけど)自分たちの資産確保のために、政財界を動かして電力不足になるからとマスコミを利用して世論を誘導していたとしたら、電力会社も政財界もひどいな~、と。まあ、マスコミもスポンサーあっての私企業だから仕方ないですね。
著者は国民みんなが数千円(だったかな?)の負担をしてでも資産を買い上げて原発を廃止していこうと提唱しています。多分無理だろうけれど、面白い発想ですね。
新エネルギーの利用方法や震災後増えた自家発電をうまく使えば脱原発は夢じゃないと。
どうも、再生可能エネルギーでは代替にならないようです。
ガスを使った熱エネルギーを利用する方法はへぇ~と思いました(詳しい解説は理解するつもりもなかったので読み飛ばしたけど)。
私は、原発については地震の多い日本には向かないと思うし、地震とは関係なく廃棄物の処理の問題もあるので絶対反対ですが、他の人ももっと色々勉強して各自で意見を持つようにしたほうがいいと思います。
電気が足りてるとは知ってても、できる限り電気を使いたくないと思う私ではあるけど。今の部屋は日当たり風通しが良いから実践できるのが嬉しいです。
 
 

「楽園のカンバス」原田マハ

図書館で半年待ってやっと借りられた本。表紙からしアンリ・ルソーの「夢」ですよ~。大富豪の持っているルソーの絵の真贋を問うミステリー。周囲の思惑がからみあってハラハラします。最後に、真贋を依頼してきた大富豪が誰かというのもびっくり。
くぅ・・・ネタバレになるから言えないけれど、面白かったです。
私はピカソよりもずっとルソーのほうが好きなんだけど、どうも知名度は段違いですよね。この小説は絵のことを知らない人でも面白く読めると思います。世田谷美術館で開かれたルソー展もう一度やってくれないかなあ。
 
 

「ぶってよ、マゼット 47歳の音大生日記」池田理代子

図書館で偶然手にした池田理代子大先生のエッセイ。漫画と同じくらい歌も好きで、声楽の勉強をしたくて47歳にして音大に入学し、その大学生活を綴っています。受験を決めてから、漫画の仕事を一度すべて絶ち、レッスンを受けて、これで落ちたら他の受験生は素晴らしいと納得できるほどの準備で受験した話などにちょっと感動したりして。あれほどのキャリアを持っていて、それをいったん断ち切って勉強に励むという決断。なかなかできないかも。
入学後、ご結婚されて旦那様とのことも書かれていて微笑ましい。
音楽は本当に苦手で音符もろくに読めない私なので、音大生の生活そのものが未知の世界。
最後の章にあった言葉もまた素敵。「多くの人生経験を経たのちの学生生活にも関わらず、学ぶべきことはまだまだ人生にこれほどにも幾らでもあるのだという事実は、改めて生きることの険しさや人生の深遠さを教えてくれた。だから人生は汲めども尽きぬ魅力に満ちていると同時に、一人の人間が人生で成し得ることのあまりの小ささに愕然ともしてしまう」
前に早期退職した年配の方が外国語大学に通うエッセイも読んで惹かれたけど、私も何かに打ち込んでみようかな~と影響された本でした。いくつになっても遅すぎるということはないのかも、と思う一瞬。
さて、先生は前に音楽学校を舞台にした漫画「オルフェウスの窓を描いていて、その学校のあるレーゲンスブルグはそのおかげで日本人観光客が増えたらしいとか。それで、レーゲンスブルグ大学にはその漫画のオリジナルがあるそうですよ。私もいつかは行ってみたい~。イザークやユリウスはいないかな~。でも、たしか後半はサンクトペテルブルクに舞台が移ってしまったような・・・?。