日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

2023.5読書記録その2

神田千里「島原の乱 キリシタン信仰と武装蜂起」

神田千里「島原の乱

つい先日のNHKの「歴史探偵」でも出演された先生の本です。

乗り鉄なので、長崎に行くならと「しまてつカフェトレイン」を予約しました。

せっかく島原に行くので、予習のつもりで読みました。

天草は熊本からのほうが近いので、今回は行きません。

 

島原の乱って、キリシタン弾圧と重税に苦しんだ農民一揆だと思っていたら、最近の研究ではそんな簡単に言えるものではないらしいです。

 

天草四郎が総大将だったわけではなく、キリシタン大名の下で洗礼を受けた武士(キリシタン大名の廃嫡後、浪人になった人たちが九州には多かったらしい)が、反乱を起こした。戦闘のプロがキリシタン農民を指揮したので、かなり強かった。

 

飢饉に対する重税は確かにあったけど、税の免除ではなく農民一揆の目的は「キリシタン信仰の容認」だった。(凶作などが起こったのは、自分たちがキリスト教を捨てたからと信者は考えたらしい)

なので、一揆勢は仏教徒たちにもキリスト教への改宗を迫ったりしたそうです。

また、当時は徹底した村社会なので、庄屋さんが「一揆勢に加わる」「城方につく」と決めたら、信仰のあるなしに関わらず、村人はどちらかにつくしかなかったそうです。

幕府側もそれは分かっていたので、キリシタンとして立てこもっていても、信仰を捨てて投降したら許しています。

 

原城に立てこもった一揆勢はポルトガルから援軍が来るのを待ち望んでいたけど、幕府の要請で阿蘭陀船が海上から砲撃して、気持ちが折れたとも。(でも、このオランダに加勢を頼んだのは幕府内でも批判が多かったらしい)

 

知らない間に、再評価とか新事実とか出てくるから面白い。

 

 

吉村武彦「ヤマト王権

吉村武彦「ヤマト王権

(前に読んでいた邪馬台国九州説の人は古田武彦でした。名前が似てると混乱します)

カルチャーセンターで知り合った人に教えてもらった本。

トンデモナイ仮説はなく、面白かったです。

日本語の母音は昔は今よりももっと多くて(ゑ・ゐなど)、音節には甲音と乙音があり、それで読むと邪馬台国は近畿らしい。

 

他にへえーと思ったのは、

初代天皇神武天皇と第十代崇神天皇はどちらも「ハツクニシラススメラミコト」なんですが、漢字で書くと違う。

神武天皇は「始馭天下之天皇」 崇神天皇は「御肇国天皇

国という概念よりも、天下(蛮族も従えている)という概念のほうが後からできて、さらに範囲が広いので、もともと崇神天皇ヤマト王権の初代の大王として認識されていたところに、神武天皇を創設したのではないかと。

創作が前提の「日本書紀」からヤマト王権のはじまりは推定できないので、前方後円墳から4C前半頃成立したとしています。

 

紹介してくれた方と、「どうせ作るなら『ハツクニシラススメラミコト』じゃない名前にすればいいのに、おかしいって思われてもしかたないですよね」と話す。

ハイキュー!!」読み終わりましたよ

バレーボールマンガの金字塔「ハイキュー!!

先月ですが、「ハイキュー!!」完読しました。

春高バレーがこのままずっと続くのかと思っていたら、最後はなんと海外修行編。翔陽がブラジルでビーチバレーで修行して、日本に戻ってきました。

最後は東京オリンピックという、まさにタイムリーな展開。

「みんな大人になって」とプロになった子やそれぞれ就職した子たちを親戚目線で見てしまいました。

部活マンガはいいですねー。

でも、試合が延々と続くよりも、始めの頃の上達していく途中や仲間になっていく途中の話のほうが好きです。そのほうが青春って感じです。

 

小林よしのり「新天皇論」

天皇論は他にもあるけど一冊で疲れました

図書館で見つけてすごく久しぶりにこの著者のマンガを読んだ。「差別論」「戦争論」はかなり昔に読んだことある。

知らなかったが、いつのまにか著者は天皇陛下に恋焦がれる尊王の人になっていて驚いた。著者は色々調べて、「女系天皇もあり」を主張しています。

表現がきつくて、たまに首をかしげるような部分もあるけど、私はおおむねこの著者のいうことに賛同できます。

一般市民は私と同じなんじゃないかなぁ?

この巻は2010年発行で、「男系天皇じゃないとダメだ」と「旧宮家を復活させろ」とかいう意見のあった頃でした。

私はその意見を全ては知らないけど、史学科出身者からすると、これまでの皇室で8人10代の女性天皇もいるし、元明天皇から元正天皇からは女系継承(父天皇から継いだのではなく、父は皇子、母が天皇で娘が天皇になった)だし、「男系天皇じゃないと日本は滅びる」的なヒステリー気味の議論に正直驚く。

 

カルチャーセンターの大学教授の先生も「歴史学者ほど女性天皇女系天皇も認めていて、非歴史学者というか歴史を知らない人ほど反対している」と雑談の中で話していたので、先生も容認派だと思います。

 

悠仁さまがいるから、当面は大丈夫そうだけど、マンガにもあるように「必ず男児を産めと重圧をかけられる家の嫁に誰がなりたいだろうか」と。

悠仁さまにお妃は難しいんじゃないかと書いています。

側室制度を復活しろなどという意見も出たとか。前近代の国ですよね、それじゃ。男女平等度ランキングで先進国と言われている国の中でもっと下位に落ちそう。

雅子妃殿下は愛子さまが生まれるまでバッシングがひどかったから。

私は平成上皇様が大好きで、神話と歴史は別と分かったうえで、日本古代史も大好きで、10代の崇神天皇から53代淳和天皇(平安初期)までなら系図も書けちゃうくらい皇室マニア。

女性週刊誌は読まないので、近年の真子さま騒動も詳しくは知らないけど、これから皇族の方も幸せな結婚をしてほしい。

古代の一時期を除いて、天皇は武力で日本を守ると言うより、祭祀で日本を守ってきた方なので、これからも末永く存在していただきたいです。だから、持続可能な方法を考えていきたい。私は敬愛しつづけます。