2016年の大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」を我が家では見ていなくて、U-NEXTで9/30まで配信していたので、慌てて見る。
今更ながら感想を兼ねて思ったことを書きます。
長いです、すみません。
このドラマと序盤の設定が似ている韓流ドラマに「この人生は初めてだから」というのがあるのですが、そちらについてはまた別に。
家事労働も仕事と思えば質を高められそう
ドラマの内容はみなさん知っていると思うので書きませんが・・・
夫が雇用主で妻が従業員という形の契約結婚(家事労働の給与から、家賃や生活費を控除して支給するという)は、とても面白いと思った。
これまでの社会人経験でいうと、仕事と思えば我慢できると言うか、評価されるからきちんとやろうとも思う。
私は物やシステムを作る仕事はしていないけど、申請や給与計算などの事務手続きの仕事が長く、誰かのためには役に立っていたと思う(まあ、私の代わりはいくらでもいる仕事でしたけどね)
家事はマイナスの状態を元の望ましい状態に戻すもので、評価してくれるのも家族だけだし、手を抜いても丁寧にしてもそれほど大勢に影響はないところがモチベーションの維持を難しくする。
だから、ドラマで家事労働の対価として給与を支給するという発想は興味深い。
主婦(主夫)だから家事をするのは当然と思われるより、給与を払ってもらったら口先だけの感謝よりよほど頑張り甲斐があるというもの。
実際に給与を払うかどうかはともかく、家事労働も労働だということを提案するようでこのドラマは面白い。
専業主婦を養っているつもりの夫は、家事労働をタダで提供してもらっているということに気づくべき。
ただ、これができるのは一定以上の収入がある家庭に限られると思う。
どれくらいの収入なら家事労働に給与を払えるのか
もし、仮に家事労働に時給(千葉の最低賃金)1026円×8時間×22.5日/月を払ったとして、184,680円。
家賃と生活費(食費や水道光熱費)の半分をそこから控除したとして(我が家の感覚でいうと、千葉市で賃貸に住んでいた頃の半分というと約10万)、手取りが約8万超。
(我が家は、服や医療費、旅行代などは各自で負担して家計費からは出さなかった)
専業主婦のお小遣いが8万というのはなかなか恵まれた家庭では?
でも、住み込みの労働者として手取りが8万だとかなりきつい。
この8万をねん出できるのって、世帯収入がいくらあればいいのでしょう。
厚労省「令和2年賃金構造基本統計調査の概況(令和4年2月4日訂正)」を見ると、
平均賃金は、男性の20代前半:214.6(千円)、20代後半252.6、30代前半289.2、30代後半328.3、
女性は20代前半209.2(千円)から、30代後半258.5と年齢で大きく伸びることはありません。
年齢や性別による賃金の差ってありますね。
全世代を載せなかったのは、ドラマの設定が旦那さん35歳、妻25歳だったからです。
IT企業で仕事ができる人設定の平匡さんは、328.3(千円)より当然もっと稼いでいるはず。
ちなみに、情報通信業の平均賃金は407.5(千円)(令和2年)でした。
横浜の1LDKのマンションの家賃ていくらするんだろうーーー?
15万くらい?千葉より高いと思うから…。
生活費が2人なら10万として、25万を折半して …
月の手取りが40万くらいないと、妻の手取りより夫の手残りが少なそう。
こんなことを調べていたら、あのドラマって成立するのかなーと心配になりました。
あの夫婦もいずれ家を買いたいとか子供の教育費とか考えたら、妻に給与を払っている場合じゃなくなりそう。
やはり、妻も外に働きに出て、世帯収入を増やす方がいいような気がします。
雇用形態による賃金格差もあって、男性は正規雇用435.3(千円)、非正規266.7、
女性は正規雇用303.6(千円)、非正規200.6でした。
全世代の平均賃金で、20~30代の平均賃金を転記する前に資料を閉じてしまった。
正規雇用(正社員・正職員)の場合は年齢による賃金の差はありますが、非正規の場合は年齢による賃金の差はありません。
厚労省の生涯未婚率(2020年)の統計を見たら、
50歳時点での未婚率は男性28.3%、女性17.8%でした。
婚姻件数は2020年は52万5,507組と過去最低を更新。1970年代前半と比べると、半分程度の水準とのこと。
「正規の職員・従業員の男性は、25~29歳で30.5%、30~34歳で59.0%が結婚している。一方、非正規の職員・従業員の男性はでは25~29歳で12.5%、30~34歳で22.3%で、それぞれ正規の職員・従業員の半分以下だ。さらに、非正規の職員・従業員のうちパート・アルバイトの男性は、25~29歳で8.4%、30~34歳で15.7%の婚姻率で、正規の職員・従業員の4分の1程度となっている。雇用形態の違いで、配偶者のいる率に大きな差がある。」「令和4年版少子化社会対策白書」から
こんな数字を見ると、雇用形態による収入の差が結婚率にも影響するという噂は根拠があったんだなという気がします。
岸田内閣が「異次元の少子化対策」とか言っていたけど(最近は聞かない)、まずは結婚する人を増やさないと子供も増えないと思う。
昔、夫さんと少子化対策や結婚について議論したことがあります。
xiaorenretirementlife.hatenablog.com
なつかしい。
高学歴女子の就職難とバリキャリ女子
ドラマで新垣結衣ちゃん演じるみくりが、心理学専攻で大学院まで出て、就職できずに派遣社員となり、派遣切りにあっていました。
(特番ではしれっと就職していたけど)
令和になっても、文系高学歴女子は就職難なんだなあと思った。
私の頃は、大学を卒業して就職しても、結婚したらやめるか、妊娠したらやめるしかなかった。
結婚は「永久就職」と言われていた。
(私の場合は転職し、その後職場が消滅した?とでもいいましょうか)
能力に性差はないから、結婚しても妊娠しても育児中でも、働きたいと願うなら女性が働き続けられる社会になってほしい。
出産は女性しかできないから、その点はしっかり保護しないといけないのはいうまでもない。
ドラマで、石田ゆり子さん演じる百合ちゃんがすごく好きでした。
私も姪がすごくかわいい。あまり会えないのが淋しい。
私の友人の多くはおそらくこんなポジションで戦っていると思う。
恋バナを聞かないのは、未亡人の私に遠慮しているからだけではないと思う。
49歳で美人の石田ゆり子さんでも、17歳年下のイケメンにおじけづいていたが、一般人ならまあこんなことはおきないから心配いらない。
私の17歳年下のイケメン・・・ソン・ジュンギ君と恋に落ちる可能性は盲亀浮木、曇華一現だわ。
話し合える夫婦ならうまくいくのは当たり前
韓流に出会う前は、メガネ男子が好きだった私(学生時代理想のタイプは羽生善治さん、大江千里くんでした)なので、平匡さんは可愛くて仕方なかった。
けど、自尊感情が低いからといってあれほど恋愛に奥手な人っているのかなと思った。
少女マンガのようにもどかしく可愛らしく思った。
いくら契約結婚でも、あんなにかわいい子と一緒に住んでいたら、そりゃあ恋も芽生えますよね。
この夫婦はよく話し合っているから、うまくいくのは当たり前だと思った。
現実にどれだけいるんだろうか?
こんな風にコメディードラマで見れば、「夫婦会議しようよ」と提案できるかも。
我が家は、夫さんに小言を言われてケンカになったとしても、ちゃんと話せて改善するようになって、まあまあうまく言っていたと思う。
定年退職後に夫さんがどれだけ家事をするかについては未知数だったから、今頃けっこうケンカになっていたかもしれないけど。
昔々、働きながら社労士試験の勉強をしている時に、家事まで手が回らず、当時のクズ前夫が試験まであと一週間というときにガラスのコップを割って「片付けて」とか言ってくるから「試験が終わったら掃除する」と答えたら、本当に一週間そのままだったのには驚いた。
危ないからスリッパはいて移動していたけど、なんだったんだろう、あれは。
夫が家事をしたら負けとでも思っていたのだろうか。
特番ではコロナ禍のころで、あの頃の緊迫した気持ちを懐かしく思いながら見た。
選択的夫婦別姓制度の導入を待って事実婚にしていたけど、妊娠を機に結婚していた。
最初のドラマ(2016年)から、どれだけ結婚の実態って変わったんだろう?
未だに夫婦別姓にはなっていないし、同性パートナーもなかなか認められない。
長々と失礼いたしました。