熊本に装飾古墳を見に行くのと、高千穂に行くので予習しました。
「装飾古墳ガイドブック 九州の装飾古墳」柳沢一男
表紙が王塚古墳の馬の図柄。
装飾古墳の図柄が写真やカラー図で説明されていて、見ているだけでワクワクします。
何を意味しているのか分からない図柄もあるので、古代人が何を考えていたのかと想像するのは楽しいですね。
初めは直弧文を刻んだ石棺から始まったんですね~。
幾何学文(円文、渦紋、三角文など。双脚輪状文、蕨手文もこちら)
具象文(船、馬、人物、靫、盾などさまざま)
こちらの本は「九州の装飾古墳」と副題にあるように九州の古墳を紹介しています。
全国に約660基あるうちの半数以上が九州にあるけど、関東から南東北にかけてもあるので、関東や南東北の装飾古墳についても調べたい。
先日、熊本の装飾古墳館で塗り絵をもらったので参考にしようと思います。
独創的な色使いは元優等生には難しい。
「装飾古墳の謎」河野一隆
カラー図版が多いけど、なかなか内容が頭に入っていかず苦戦しました。
(ちょうど渡韓前でハングルばっかり読んでいたから?)
4世紀中ごろから7世紀前半に登場した装飾古墳。
いくつか新しく知った事実があって、「へぇー」と。
①磐井の乱の敗北が装飾古墳を生んだとされるけど(いわいの郷でもそう書いてあった)、この本では、装飾古墳と石人は共存するのでその説は否定しています。
乱後、石人石馬は減るけど、無くなったわけではないし。
②問)近畿に装飾古墳がないのはなぜか。(高松塚古墳、キトラは装飾古墳に含めない)
答え)埋葬に対する考え方、死生観の違い。
墓は、竪穴式から横穴式(複数の死者を埋葬可能)になりますが、ということは、埋葬のたびに先の被葬者を見ることになります。
九州の横穴式石室は、棺は奥壁に並行におかれ、玄室以外にいくつかの部屋をもつものもあり、入口の石材をどかすと陽が差し込んで死者の周りの図絵が浮かび上がるようになっています。図柄は、被葬者だけでなく、葬送儀礼に参加する子孫に向けてのもの。葬送儀礼は一族の結束を固め、先祖とのつながりを感じる儀式。
「飾られた死者」
それに反して近畿は、棺は入口から見えない奥に置かれることが多いです。羨道から見えない位置に、奥壁に直角に置かれる。(イメージとしては、旗竿地の袖の部分)
記紀では、「死は穢れ」「黄泉の国神話」が語られて、死者を飾るという発想がありません。
ちなみに、東日本の装飾古墳は、光源を室内に置いて、被葬者に見せる、被葬者とともに見るためのものでは、とありました。
死生観としては被葬者を穢れとして隠すものではないそう。
6世紀前半は、九州型と畿内型が共存したり、紀伊のように折衷したものも出てくるが、ヤマト王権の伸長と共に、畿内型が優勢に。
継体天皇の葬送儀礼の改革に反発したのが、磐井の乱と武蔵国造の乱とあって、それはちょっと無理やりではーとツッコんでしまった。
その後、寺が権威の象徴となり、古墳にこだわらなくなりました。
世界の装飾墓については、さらーっと読み飛ばす。
③洞窟壁画と装飾古墳の壁画について
ラスコーではランプが見つかっていて、たいまつなどの人工光源で描かれていた様子。
そして、動物については細かく観察して描いていました。
反して、農耕がメインの古墳時代は、動物については形式的で、猪と馬の蹄が同じに描かれていたりします。
装飾古墳は、松明では黒と緑の判別が無理。天井石で塞ぐ前に描いたと推定。製作過程も見せて、権威を競い合ったとしています。
へぇーと納得する話と、うーんと疑問が生じる話が両方ある本でした。
「天孫降臨とは何であったのか」田中英道
高千穂に行くので題名に惹かれ読みました。
この著者は関東・東国に「日高見国」という一大国があったとして、その国が日本の起源として独自の主張を展開していて面白かった。
確かに、縄文時代までは東北・関東のほうが桁違いに西日本よりも人口が多い。
弥生時代に西日本に人が増えたのは、寒冷化で東北の人が南下したのと、海外からの移入としていました。
天=海(アマと読んで、同音とあった)
「天孫降臨」は海を使った移動のことを意味しています。
ここまでは、うんうんと読んでいたけど、
「高天原は東日本の日高見国にあって、天孫降臨は日本の統一事業、鹿島神宮から出発した大軍事船団の遠征の記憶」という話は、へぇーというより小説みたいで面白い。
中国の戦国時代に戦乱を避けて日本列島に移入する人が増えてきたので、日高見国が日本を統一しようと考えたと。
鹿児島は鹿島に始まることに関連するとか。(鹿島神宮からの大船団が流れ着いたのが鹿児島)
熊野神社は、関東や東北に多くて、関西に少ない。紀伊にあるのは、天孫降臨の過程で関東の高天原系勢力が紀伊に居を構えたからともありました。
他にも色々メモしたけど、どれもネタとして話す程度の感じ。
(学生時代、史学科だったので、こんな感じのネタを誰もが持っていて、よく披露しあっていた)
「現代語 古事記」竹田恒泰
この人は嫌いなのだけど、図書館に古事記がこれしかなかった。
「日本書紀」の神代の巻は挫折。神様の名前が多すぎるーと思ってたら、この本では「一度しか出てこない神様の名前は忘れてよい。重要な神様の名前は太字で表記」とあって気楽に読み始めました。
神が「生まれる」と「成る」の違いとか、気にしないで読み進めていたけど、やっぱり神話って面白くない。
絵本で読む程度の日本神話でいいやと途中でやめました。
学生の頃は、音楽を聴きながら本を読んだり、勉強したりできたのに、今は歌詞がある曲を聞いていると、他のことができなくなりました。
歌謡曲を覚えながら宿題もできたのに、今じゃ歌詞の和訳を見ながら曲を聞いていてもなかなか歌詞を覚えられない。
老化?脳トレとかしないとマズイ?
賢いしっかり者の妻と夫さんはよくほめてくれたのに。