図書館カードを作った時に目に留まったので借りました。
日雇いバイトの確定メールが来なくて「失業?!」なんて思ってた時に一気読み。
お子さんが小さくて専業主婦だった女性が、夫さんの失業(ひどい職場でこのままでは心身ともにだめになると思った末の退職。なので著者の方は夫さんを責めたりしない)を機に働きはじめる話です。
15年ぶりに再び働くことになり、確定申告の臨時職員、ワンマンパワハラ社長のもとでの事務員、そのうちに夫さんの再就職が決まり、パワハラ社長の下を去り転職。
事務という職種は同じでも、勤め先の業種が違うとこんなに職場環境が違うのか、ということがよくわかります。
それは私も実感、実は私も何度も転職しているので。
そして、人間関係が勤労意欲におおいに影響するということも。
私は、知らない業種の会社で働く著者の姿に力づけられ、動物園のような人間関係ですり減る著者の姿に共感します。
見切ったらちゃんと転職する勇気と行動力にも!
そうそう、言葉が通じない人(動物)と理解しあって一緒に働こうなんて無理よー。
夫さんが再就職しても働き続け、働くということへの自分なりの居場所というか妥協点をうまく見つけられた著者の姿に、
同じように「働こうか、でも不安」という人に背中を押してくれるような気がします。
迷っている人はまず働いてみるのもいいかも。だめならやめればいいんだし。
著者も見切って働きながら次の就職先をこっそり探していたりもして。
お子さんが大きくなって休日に夫さんと二人でいる時に息苦しくなって派遣の仕事で選挙の出口調査や試験監督などやってしまうところも共感(笑)
さすがにこの方は工場のラインの仕事は一日でやめていましたが。
夫さんと二人で職場のぐちを散々言い合うガス抜きタイムは参考になります。でも、お二人の偉い所は子供の前でそれをしないこと。これから就職していくお子さんたちに「仕事」に関する悪い先入観を与えないためとか。さすが。
最後でうまくおりあいをつけて長くいようと思った職場の個人社長が倒れて会社をしめることになり、失業してしまうのですが、そのあとがきも揮ってます。
『終の棲家を見つけて、流浪の仕事生活から定住生活になるはずだった矢先、
所長が病に倒れ、会社が閉鎖になるという憂き目にあった。
それはもうすぐ五十歳になろうとしていた時だった。
偶然にしては、あまりにも数字の語呂がいい。
何かのお導きにしては冗談がすぎる。
急に家庭に返品されて、有り余る時間の使い方を忘れてしまった私は、ふだん日記など一切書かないのに、一つの区切りとして
『人生の第二楽章 苦単調』
と銘打ってこの十年を振り返って書いてみた。
たかがパート、されどパートでの十年間を書いたことで、モヤモヤした気持ちが自分の中でケリがついて、今は清々しい気持ちでいる』
パートだから楽だろう、なんて思っている男性にもこの本を読んでほしい。
パートでも人間関係はあるし、むしろ立場の差から弱者になりやすいし。
奥さんがパート先でのあれこれで悩んでいたら、自分の愚痴を吐き出すだけでなく奥さんの愚痴も聞くべき。アドバイスをするのではなく、ただ聞くだけでいいから。
上司に注意されて、そのうえ夫さんにまで注意されたらやってられない。
その点、私はこの前の職場は時給が安い以外は本当に良い職場だったーー!!
昨日、千葉でものすごい豪雨のニュースを見てお姉さまにメール。
心配した職員さんに電車が止まる前に帰してもらえたとか。
とりあえず土砂災害や氾濫にはあってないとの返事にほっとする。