今月は珍しくラブコメを見ていない。
調停も一段落して、ラブコメの世界に逃げなくてもよくなりました。
安全な家の中から、過酷で危険な世間を見て、色々考えさせられたり、泣いたりしていました。
「ゼイチョー『払えないにはワケがある』」
地上波のドラマを見た。架空の市役所の住民税滞納を徴収する係の話。
保育園の待機児童問題の回は私は経験したことない話だったけど、興味深く見た。
色々な制度はみな申請制だから、偽装離婚して、保育園に入れて、さらに片親の補助制度などを利用する夫婦もいれば、知らなくて孤軍奮闘して消耗していくシンパパもいて。
年金や生保の支給日に客が増えるのを目の当たりにして、滞納した住民税の支払いを拒否していたパチンコ屋の店員さんの気持ちもわかる。
後半で「納税徴収リスト」の存在に気づいた職員が団結して、巨悪を暴くけど、そんなの実際にはできるのかな?
「公務員なめないでください」という決めセリフは、マンガやドラマだからですよね。
「税は公平、公正に徴収して、市民のために使う」
というけど、今、毎日のように報道される政治家のパーティー券の裏金疑惑なんか見ると、真面目に申告して納付するのがばからしくなる。
私は扶養家族がいなくて、経費もそんなにかからない(自主管理だから)不動産経営は、税金がすごく重い!
収入のせいで、遺族年金だってもらってないのに。
夫さんは最高等級の保険料を払っていたのに、掛け捨てになった。
脱税はしていないし、節税も特に思い浮かばない。
ふるさと納税をギリギリまで利用するくらい。
「子供を産んでいない女性は云々」と老害政治家が、女性を分断するようなことをたまに言うけど、私は家族養っている男よりよほど税金納めてるわよ。
子どもがいなくても大丈夫なくらいの備えもある。
税金を納めるのは仕方ないとして、有意義に使ってほしい。
「D.P.脱走兵追跡官」
一時期、息子にしたいNO3だったチョン・ヘイン君(最近は落ち着きました。そうでもない)が主演。
韓国に住む韓国人男子は、陸軍で21か月、海軍23か月、空軍24か月の兵役に着く義務があります。
BTSが入隊するかどうか一時期話題になりましたが、心身ともに健康であれば、普通は兵役に着かなくてはいけません。
キャリアが中断することになるので、就職前に済ませるのが一般的だそうです。
(CNBLUEはバンドなので、ほぼ同時期に入隊しました。その二年間は活動休止、その後コロナ禍で、日本に来れなくなって勢いが落ちた)
ネタバレしないように書きます。
ドラマの中では、新兵は上等兵たちに訓練と称して理不尽な扱いを受けます。
目をつけられたりするといじめにあったりしますが、当たり前のように黙認されます。
でも、そうしたことに耐えられなくなって逃げたり、もしくは事件を起こしたり。
DPはそうして逃げた兵士を「無事に連れ戻す」のが任務ですが、追い詰められた兵士が自殺してしまったり、銃乱射をして警察まで巻き込んで大事件に発展したりします。
それでも、いじめがあったなどということは伏せられて、自殺したのは精神的に病んでいたと片付けられるのが普通。
それどころか、発砲事件を起こしても、いじめていたことは考慮されず、発砲したことを責められたりと、見ていて理不尽だなあと思った。
シーズン2で、国に対して「国の命令で軍役についたのだから、国に賠償責任がある」という裁判を起こすことにへぇーと思った。
ヘイン君演じるDPアン・ジュノは、救えなかった兵士について苦悩したり、軍の体制について疑問を抱きます。
学校でさえいじめがなくならないのに、軍隊のような階級差があったら、弱い方がストレスのはけ口にされることって多いだろう。(全ての部隊でいじめがあるわけじゃないと思うけど)
軍隊で揉まれてこい、なんて思わない。理不尽ないじめで成長するなんてありえない。
私の甥っ子は、優しくて内向的で神経質で、冗談も言えないたちだから、日本人で良かったと思う。甥っ子が兵役についたら、すぐにいじめられて、乱射事件とか起こしそう。その前に、泥の上で匍匐前進したくないと脱走するかも。
「生まれ変わってもよろしく」
どうして、このドラマを見始めたのか忘れたけど、前半泣きながら見てて、後半は夫さんも生まれ変わって、私に会いに来ないかなあと思いながら見ていた。
主人公は、生まれ変わっても前世の記憶が残っているヒロイン、パン・ジウム(写真の長い茶髪の女性)。今回は19回目の人生で、ろくでもない父と兄のところに生まれる。
18回目の人生で幼くして事故死したため、その時一緒だったソハが生きているかが心配で探すところから始まります。
18回目の人生の初恋の相手ソハは年下の男の子で、ジウムは亡くなってすぐに生まれ変わったらしく、今回は自分が年下です。
ソハは初恋のお姉ちゃんが自分の隣で亡くなるという衝撃体験をし、自分も片耳が不自由になるという悲劇にあい、お姉ちゃんを忘れられずに心を閉ざして生きているというなかなかすごい設定。
見るのをやめようかと迷うくらい衝撃的な事故のシーンでした。
前世の記憶があったとしても、終わった人生の縁は切らないといけないらしいのに、ジウムは、ソハが心配でソハのホテルに入社し、偶然再会した妹に迷った末に「実は姉の生まれ変わり」と名乗ってしまう。
17回目の人生でサーカス団の団員として生きたときの幼い姪が、今世ではすっかりいいおばちゃんで仲良く暮らしているのがいい。
それまでの人生の、愛する人との別れを覚えていて辛いのに、今回は幼くして亡くなってすぐに生まれ変わったので、自分の死に苦しんでいる人たちがいて、残された家族の悲しみを見て辛くなる。
ネタバレになるので、詳しくは書きませんが、
どうしてジウムには前世の記憶があるのかがわかり(一回目の人生と関係がある)、
父の愛人でソハの母のホテルの代表となったチャン代表は因果応報となり、
最終的にはみんな仲良く幸せに暮らします。
クリスチャンは亡くなったらみんな天国に行くんだろうけど、私は輪廻転生のある仏教徒なので、生まれ変わってまた夫さんと結婚しないと。
「良くも悪くもだって母親」
見る前から、泣かそうとしてくる話だと分かっていたのに、まんまとハマって泣く。
養豚場を営む夫は、権力に負けて理不尽な亡くなり方をしたので、残された妻ヨンスンは息子ガンホに猛勉強をさせて検事にします。
正義の検事になるかと思いきや、ガンホは父の仇の会長の養子になり、大統領候補の娘婿になろうとする。
仇の側も、当然警戒して、事故を装ってガンホを消そうとします。
ガンホは奇跡的に助かるものの、手足はマヒで動かないし、精神は7歳程度になってしまって、記憶も失ってしまいます。
母は養豚場の仕事をこなしながら、息子の看護に必死になります。
韓国ドラマのあるあるで、大企業の会長と法曹界の上層部は、たいてい結託していて極悪。貧乏な人たちは、頭が悪くてガヤガヤしてる。
ガンホの記憶が戻って、親子の愛情も再確認して、法的に正しく復讐してすっきりする話なんだろうと思っていたら、途中から母に分かりやすい嫌なフラグが立った。
夫に先立たれ、息子のガンホが事故で車いすの子どもになったうえに、母が病気?!なんてことあるかと思ったら、「末期胃がん」という。
いったん見るのをやめて(ちょうど風邪でドラマを見る元気もなかった)、数日たってから、「ドラマだから大丈夫(ハッピーエンドで死なない)かも」と思って再開。
財産を整理して弁護士に依頼して、ガンホをリハビリ病院に入院させて、自殺をしようとした母のもとへ、何かに気づいて、病院を脱走して車いすで自宅に戻ったガンホが立ち上がって助けるシーンにも泣いた。
「僕をおいて、お母さんはいいところへ行こうとした」と泣くガンホを見て、母は鬼のようにリハビリさせ、一人で暮らせるように農場のことを教える。
一方で、悪役側もガンホが生きているので安心できず、消そうとしたり、不利な証拠を持っていないか探しに来たり・・・
母ヨンスンを演じるベテラン女優のオ・ミランさん。
息子のためとはいえ、ちょっと理解できない行動もあるけど、全体としていい話だった。
ただね、末期がんはあんなに動けないし、しっかりしてないと思う。もしかしたら、このまま大丈夫かと思った。末期がんと分かってからも、治療を受けていないのに、ガンホが車いすから歩けるようになって、裁判が終わるまでしっかりしてるなんて。
なにより少しも痩せない。
ガンホの遊び仲間になったイェジンとソジンという村の子どもがおませで可愛かったのと、証拠を見つけるために村に潜入した会長の部下が農業を始め、いい人になっていくのが個人的に良かった。
ドラマなので、ガンホの記憶は戻り、ちゃんと法的に悪役は罰せられます(私的に暴力的に復讐するのではないです)。
チョン・ウンイン氏、最初に出てきたときから賢い悪役だと分かる。チェ・ムソン氏は大概やくざな役が多い。
お二人は、たまにはいい人役やりたいとか思わないのかしら。(ムソン氏は「緑豆の花」では全 琫準という英雄だったけど)
ドラマだから、事件が起きても解決するし、悪役は必ず報いを受けると分かってるから、安心して見ていられる。
誤解は解けるし、嫌な奴が謝罪してくることもある。
家族が亡くなるシーンでも、私の家族じゃないから悲しくなるけど案外平気。
ヒロインは好きな人と必ず結ばれる。
現実社会はそんなことない。
だから、読書やドラマの作られた世界を見るのが安心かな。
私は以前は、負けず嫌いで根性があって、努力家で働き者だったはずなんだけど(自己肯定感が強すぎ?)、こんなに何も生み出さない生活でも、恥ずかしいと思わなくなりました。