日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

柚月裕子「盤上の向日葵」「パレートの誤算」「臨床心理」を読んで

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夫さんが知り合いの方に薦められて図書館から借りてきた本。

ふと知ったのですが、8日日曜夜からBSNHKでドラマ化もされるようですね。

小説のドラマ化・・・どうなるでしょう。

 

 

さて感想ですが、

殺人事件が起きその捜査と、タイトル戦に臨む異端の天才棋士の生い立ちが交互に進んでいきます。

続きが気になって気になって一気に読んでしまいましたが、読み終わってがっくり。

終わり方が辛い・・・救いがない。

 

新聞配達をしている小学生の桂介が将棋が好きでしかも才能に恵まれていると知って、将棋を教えたり世話をしてあげる元教員の唐沢先生とのふれあいだけが唯一ほっこりする場面で、

それ以外は心がヒリヒリする話の連続。

 

棋譜が書いてありますが、私は将棋はルールがわかる程度なのでその部分は飛ばして読みました。師匠(夫さん)は分かっていたらしいです、さすがー。

 

実は夫さんは将棋がすごく好きで、将棋盤にも一時期凝ってなかなかいいお値段のものを持っているし、駒もなかなかいいものを持っている。小説に出てくるような何百万もするような名人のものではないですが・・・

 

xiaorenretirementlife.hatenablog.com

 

 

主人公の桂介がは辛い子供時代を送っていて、東大に入るために上京してきて、その後成功していくのに、捨てたはずの過去につかまってしまう。

それが、血のせいというのはなんだかひどすぎる。

出てくる人々も唐沢先生以外はクズばっかりだし。

小説の中くらい、能力がある人や努力した人、苦労した人が救われる話にしてほしい。

 

来週から始まるプレミアムドラマでは、「原作と違う!」と言われてもいいからいい終わり方にしてほしいです。

 

★★2019.10.7追記★★

プレミアムドラマ「盤上の向日葵」は最終回、原作と違ってほっとする終わり方でした。奨励会上がりの婦人警官(原作では男性警官)の一生懸命さと、上条圭介を演じる千葉雄大さんがうまくて、本当にひきこまれてしまいました。
原作よりもドラマのほうがずっと良かったです!

 

 

「盤上の向日葵」を借りるときに図書館で一緒に借りた本があと2冊。

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主人公は不本意ながら生活保護課に勤めている。

先輩の職員はそんな主人公を「この仕事はやりがいのあるいい仕事だ」と励ましてくれる。そんな先輩の職員が亡くなるのだが、実は殺されて放火に遭っていたと知り、主人公は同僚の職員とどうして亡くならなければいけなかったのかの真実を調べていきます。

生活保護を受ける人の中には一部不届き者がいるというのは周知の事実。

貧困ビジネスと結びついているということも。

 

だんだんと謎が解明されていくうちに、思わぬ裏の一面を見てしまう。そしてどんでん返し。

 

この本の殺人の理由が簡単すぎて、理解に苦しむ。

こんな理由で人を殺せる?

 

私は生活保護の制度について、セーフティーネットとして必要だけど、すべて現物支給にすればいいのにと思うほどなので(老朽化団地の空き室に住んで、食事は食堂で給食、医療は決まった病院で、というように現金を渡さない。それが嫌なら頑張ってそこから抜け出せばいい。そうすれば支給日にすぐにパチンコに行くなんて批判はなくなるはず)、出てくる人たちにモヤモヤしてしまう。

あまりお薦めはできない本でした。

 

こちらはもっと辛い本。

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「このミステリーがすごい大賞」受賞作というので読んでみました。

人の声が色で見えてしまう(その色で心理状態がわかる)少年が、施設で唯一心を許していた少女が自殺してしまったことで心を閉ざしてしまう。その少年の治療にあたる臨床心理士が主人公。治療のために少年となぜ少女が自殺したのかを調べていくのですが・・・

障害者施設の入所者とその入所者への虐待などなんとなく話が見えてしまう。多分こいつが怪しいと思う人はそれほどではなく、いい人が黒幕というベタな設定だし。なんで主人公は気が付かないかなー。

この小説を女性が書いていることが信じられないくらい酷い。最終盤で気持ち悪くなってしまった。この本の殺人の動機も女性には受け入れがたいけど「このミス大賞」?!

私は潔癖すぎるのかもしれない。エンターテイメントとして流せれば楽なのに。

 

書評で「慈雨」が絶賛されていて、図書館の予約が多くてだいぶ待たされていますが、もう読まなくてもいいかもしれません。