もう何度目かになりますが、塩野七生の「ローマ人の物語」を読み返しています。
中古アパートを1棟買い、正社員生活を辞め、離婚に向けて準備をしていた頃にまとめ買いした全15巻。
社会科教員だったこともあり世界史も好きです。
この著作はローマ史を丹念に叙述してあり分かりやすいです。
二度通読はしていますが、二度しか読んでいない11-13巻(本当につまらなくてほとんど頭に残らない)、
何度も読み返している2巻(「ハンニバル戦記」)、
なんとか3回は読んでいる6巻(「パクスロマーナ」)と9巻(「賢帝の世紀」)などばらつき有。
「ハンニバル戦記」は孤高の隻眼将軍ハンニバルにハマります。そしてローマの若き天才スキピオとそれを生み出して後に失脚させたローマの社会と。
今、3巻「勝者の混迷」にたどりつきました。
地中海の覇者となってから、内部に色々な問題が多発していきます。
今度は3度目の通読目指し、3巻以降も読み進めています。
やっぱり、国が興っていく過程というのはワクワクするし、衰退していく過程の叙述は読んでいても気分が上がりませんね。
共和制ローマ時代前期には、参政権と納税の義務はローマ市民の男子にしかありません。(女子と子供以外の財産を持たない無産階級には参政権と納税の義務はありません。)
なぜならば、納税には軍役も含まれていて、執政官(戦時には前線で指揮を執る)は参政権のある市民が選ぶため。
自分たちを指揮する将軍を自分たちで選ぶのって理にかなっている感じ。
相応しい人物を選ばないと執政官も兵も全滅になりかねない。
特にローマがカルタゴを破って地中海の覇者になるまでは戦争続きで、カルタゴ相手のポエニ戦争では名門貴族出身の執政官もかなりの数が戦死しています。
首都ローマの元老院が前線に指令を送るのではなくて(誰をどこに送るかは元老院で決めるけど)、後はもう前線の指揮官にお任せ。
敗軍の将は死刑になるカルタゴと違って、ローマでは処罰されないけど、敗因から学ばないような指導者は二度と政治家になれない。(二度と当選しないから)
というところなんぞを読むとですね。
古代ローマとは社会形態が全く違うので比較すること自体が無理なのですが、今の政権与党が自分たちの生活を託すのに相応しいのかもっと考えたほうがいいと思います。
どうも日本の政治家先生たちは、政策とかを打ち出してもその総括をせず新しいスローガンをかぶせてうやむやにする癖があるみたい。
アベノミクスって結局どうだったの?GOto政策は有効だったの?ちょっと前の「介護離職ゼロ」や「女性が輝く社会」とかってもう今では聞かない。無かったことになった?
悪かった点、良かった点など政治家先生の思うところと私たち国民の目線が合っているかどうかも確認したいから、世論調査の発表だけでなく、政府発表を聞きたいです。発表されているのかもしれないけど、もっとわかるようにマスコミが伝えてほしいです。
私は、今の野党に任せて安心とも思わないですが、与党が一強で傲慢になっていた感が強いので(お友達優遇とか世論を無視して強行採決とかね)、失政は政権を失う恐れありくらいの危機感をもってもらいたいです。
政治家先生たちもこの著作を読めばいいのに。
初めは良いと思って始めた政策でも後に不具合がでてくることは多々あり。その時にどうするか、そこが大事な気がします。
日本がだんだんと衰退しているような気がしているのに、(サラリーマンの手取り給与は減っているとか、日本は先進国なのに賃金の安い国なので海外の優秀な人材は日本で働きたくないとか聞きますよね)
外国の方が「日本は素晴らしいですね」と感動してくれる番組は相変わらず多い。
30年前、中国一人旅したときに新疆ウイグル自治区の亀茲から日本に国際電話を掛けようとした時は、亀茲の郵便局から北京を経由して日本に繋ぐと言われて待っていたけど「繋がらない」と言われてかけられませんでした。
初めて中国に旅行した時は外人専用のお札があったのに、今ではキャッシュレスは日本より普及していたりします。
今では信じられない話ですよね。話がそれすぎました。
30年って世界が変わってしまいますね。
私は日本が大好きだし、日本は良い国だと思っているけど、私が生きているであろう残り30~40年くらいはなんとか沈没しないでいてくれることを祈ります。