最近旅行づいているので紀行文を読んでいます。
太宰治「津軽」
青森の妹に会いに行くといったら、青森旅行したことのある友人が貸してくれた本。
金木の斜陽館にも行ったそうで「あれを見ると、周囲と違い過ぎて太宰がひねくれた理由がわかる」と言っていましたが、今回は金木には行けず次回に延期。
太宰は好きではないのに、「津軽」は面白かったです。
最後のねえやの「たけ」との再会シーンは泣ける。
小説に出てくるような素朴な「たけ」が堰を切ったように話すところはたまらないです。
三週間をかけて津軽を旅行しているのですが、昭和19年というのに旅先で知り合いのところで飲んだくれてばっかりいて、愛にあふれた津軽ディスリで満ちている。
読んでいて青森に行きたくなる。
こういうのがいい紀行文ですよね。
ただの飲んだくれおじさんの旅行記でないところは、文章が格調高いから?
「津軽富士と呼ばれている1625メートルの岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふわりと浮かんでいる。実際、軽く浮かんでいる感じなのである。したたるほど真蒼で富士山よりもっと女らしく、十二単衣の裾を、銀杏の葉をさかさに立てたようにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮かんでいる。決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとおるくらいに嬋娟(せんけん)たる美女ではある。」
金木から見た岩木山の描写ですが、こんな文章書けないなー。
それが文豪の紀行文と一般人の旅ブログの違いですね。
世の中に旅ブログはあふれているけど、私は自分が行った時の備忘録として書くのが第一義なので、多くの人に見てもらえるかどうかはさておき、自分が楽しければ良し。
妹は「すごいね、いい趣味だね」と褒めてくれたけど、身内だから(笑)
いつか拡張高い紀行文を書けるようになりたいものです。
まず語彙を増やす?
白洲正子「西国巡礼」
私が西国巡礼始めたといったら薦めてくれた本。
昭和40年頃に、西国巡礼をして、この本は昭和60年に再版されたもの。
文庫本に載っている写真は古刹そのもの。
白黒だから?今なら違う撮り方をするはず。
出てくるお寺の中には既に私がお参りしたところもあり、当時の様子と比べて読むのも楽しかったです。
昭和40年代ともなればどんどん道ができて便利になったようで車で周っていて、私よりもはるかに効率が良さそう。
おそらく、当時の白洲さんは私と同年代。車で周っても、参道や石段は自分の脚で歩かないといけないので、『巡礼をはじめてから丈夫になった』という。
最後の文章引用します。
「当節は万事略式になって、第一番の那智と、三十三番の谷汲へお参りすれば、事足れりとするものが多いと聞く。昔とちがって、時間的にも経済的にも余裕がないことはわかるが、それではふつうのお参りと何ら変わるところがない。巡礼の意味は旅するところにある。一つの札所から、次の札所への「道中」にある。それにつけても、得難い機会を与えられたことに、私は何と感謝していいかわからない(後略)」
旅する事が巡礼の意味という言葉に魅力を感じました。
泣きながら過ごしていた日から、西国巡礼の目標ができて、旅をしながら夫さんを思って泣いたり、美しい景色に癒されたり、行程の大変さに張り切ったり。
ただの旅行でないところがいいのでしょう。
満願成就したら、少しは元気になれるかな。
白洲正子「近江山河抄」
白洲さんは西国巡礼をしてから近江にすごく関心をもったようで、滋賀のお寺、神社などを周っています。
近江は日本古代史においては重要な地域で、読んでいて「そうそう」と思い出す事柄も多いのに(天智天皇の近江大津宮跡には私も行ったし)、
読了後特に内容を覚えていない。
せっかく読んだのにと思うも、読んでいる時は楽しかったのだから、そういう読書も良しとする。
旅行代理店の対応
このところの旅行には2019年にふるさと納税でもらった旅行ギフト券を使い切りたくて、某旅行代理店に何度も足を運びました。
その時の対応について思ったことを書きます。
ギフト券に有効期限はないものの実店舗が減ってきていることと、ギフト券は店舗でしか決済できないといわれてこの際早く使い切りたいと思いました。
でも、来店予約しないと受け付けてくれず、一回の接客枠は1時間と厳しい。
しかも、我が家から一番近いお店でさえ往復2時間弱1000円近く交通費がかかります。
でも、使いたいから仕方ない。
私は、事前に行程表を綿密に作って、「◎:◎◎東京発新大阪のぞみ◎号で、宿泊は・・・」とほぼ空きがあるかどうかだけを調べてもらって手配してもらうようにしていても、1時間てすぐ経つ。
全国割が始まってからは、来店予約も取りにくくなり、私が店舗にいるときに「全然予約とれないのに、店にお客なんていないじゃないのよ」と怒鳴っている来店者もいて(実際、客は私一人)、こういう代理店ってバックヤードに何人いるんだろう?と不思議に思う。
怒鳴る人には奥から人が出て来て対応していたから。結局声の大きい人が得をするのか。
今回の東北旅行は、当初は全国割が発表になる前に予約したから対象外と言われて諦めていたのに、5日前に「適用になります。返金するのでお店にきてください」と言われ、64000→43000円になるのでウキウキ来店。
浮いた21000円とクーポン3000×3日は大きかった。
この時も「◎日の◎時なら空いてますが来れますか?」と言われ、暇だから行けたけど働いている人だったら難しい。
私のようにもとがふるさと納税で「安くなったらすごくラッキーだけど安くならなくてもしかたない」と思える人はいいけど、最初から全国割を充てにして大家族で予約して安くならなかったら、怒鳴りたくもなるなーと。
今はネットで予約もカード決済もできて便利なのに、お店に行かなければならないのは面倒でした。
でも、年内の西国巡礼も含めて使い切ったから気が楽に。
年内に西国巡礼は満願成就できそうです。