日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

「線は、僕を描く」展と目黒雅叙園百段階段・アフタヌーンティーで非日常を体験する

中学時代からの友人がコロナ禍以来やっと帰郷。

久しぶりに会えました。

我が家に泊まり、夫さんのことなど明け方4時までしゃべりたおしてしまった。

つきあってくれて本当にありがとう。

 

久しぶりに会ったので、どこかおでかけしようということで(彼女も博物館が好きで、我が家に来る前に上野の科博に一人で5時間いたという)、前から気になっていた目黒雅叙園の百段階段に行くことにしました。

ついでに、アフタヌーンティーも満喫しちゃおうという贅沢っぷり。

目黒雅叙園・百段階段

百段階段は、目黒雅叙園の中にある戦前に建てられた建物で、戦中は海軍の病院として使われていて赤十字の旗があったので焼失を免れました。

とはいえ、空襲にはあわなくても、本館と二号館の一部は類焼してしまい焼失。

現在残っている部分は、贅を極めた装飾が残った部屋と階段で、様々な企画展が開かれています。

 

百段階段の横に客室(展示室)あり

廊下の天井にも日本画が描かれ、窓の枠なども素敵でした。

昔の建具って丁寧だと思います

格天井に日本画

欄間も螺鈿

映画で使われた作品

展示は、水墨画を題材にした漫画「線は、僕を描く」とその映画とコラボ。

劇中作品や小道具、水墨画の描き方など初心者でもわかりやすい解説が展示されていました。

劇中で使われた小道具

水墨画の描き方の解説

漁礁の間の豪華な彫刻の柱

「漁礁の間」は、中国に伝わる「漁礁問答」をモチーフに春と秋、海と山など相対するものを描いています。欄間は平安時代の貴族風俗になぞらえて五節供を表しています。

 

節供の彫刻

こんなに豪華な彫刻の部屋では寛ぐのは難しそう。

 

格天井も彫刻

このお部屋は天井も彫刻でした。

 

湖峰さん(江口洋介さん演)の作品

アトリエの再現

鏑木清方の間がアトリエになっているなんて、贅沢ですね。

鏑木清方は年取ってから好きになりました

展示してある作品は写真撮影不可のものもありますが、劇中作品などは撮影OK。

これまで水墨画について全く知らなかったので勉強になりました。

 

「線は、僕を描く」について

今やマンガって思いもよらないものが題材になるのですね。

水墨画」って・・・

マンガ原作

今回の展示は、映画の公開に合わせての企画。

後でカフェに行った時に、店員さんが「今回の企画はかなり攻めていると思いますが、ご好評をいただいています」と言っていました。

水墨画で描かれた霜介

友人はマンガを読んでいて、私はここに来る前に映画を見てきました。

映画は、すーっと筆を運ぶ音や仕草がとても気持ちがよく、絵力や音が良かったです。

水墨画は地味に思っていたけど、迫力もありますね。

見たものを描くというより心象表現という感じ。

映画でなければ表現できないことも有ると思います。

展示室では、作品や調度品を鑑賞しながら、ずっと映画のサントラが流れていて、映画を思い出し、そして、墨のアロマが焚かれていて、お習字をしていた子供の頃を思い出し(墨の香って好きです)、なかなかセンスがいいと思いました。

墨のアロマはお土産にしました。

おまけに天井画のハガキを頂く



マンガ原作4巻を映画にするのって、だいぶ省略されているようで(友人と話していて分かった)、仕方ないとはいえ、見ていて納得できないところもありました。

 

そう映画では、家族を災害で亡くした主人公が、偶然出会った水墨画に打ち込んで、その悲しみを乗り越えていくのですが、「こんなことで哀しみを乗り越えられるの?」と不思議でした。

マンガではもっと丁寧だと友人は言っていましたが。

 

夫さんがいなくて淋しくて泣いている私も、何かに出会えれば乗り越えられる?

私の場合、パートナーがいなくて淋しいのではなくて、夫さんがいないから淋しいのです。

楽しいことがあったときに「良かったね、楽しいね」と共感してくれたり、嫌なことがあっても話を聞いてくれて気分を軽くしてくれた夫さんだから。

今も、普通に暮らしてはいるけど、心から楽しいと思えない。

どうしたものでしょうねぇ。

 

結庵のアフタヌーンティー

チケットとセットになっているアフタヌーンティー

これまでケチケチして暮らしてきたから、たまにはね。

秋のアフタヌーンティー

おしゃべりしながら、美味しいものを食べて。

友人は話し上手で、辛抱強くて私の話にもつきあってくれて本当にありがたい。

笑いながら話せるのに、どこか冷めているというか・・・

以前なら「帰ったら夫さんに話してあげよう」と思うのに、今は写真に話しかけるだけで答えはない。

共感力の高い夫さんがいたからこそ、私は「喜び2倍哀しみ半分」で暮らせていたのですね。

夜はミニ同窓会

夜は地元でミニ同窓会。

といっても、女子は結婚して地元を離れていて、地元で家業を継いだ男子数人と近しい友人でこじんまりと。

私の話に驚いていたけど、同級生の中にも既に鬼籍に入っている人が数人いて驚く。

 

その場にいた男子は、「夏に血を吐いたから肺がんかと思って覚悟したけど、煙草の吸い過ぎなだけで大丈夫だった」と言って、まだ吸ってる。

「下の子はまだ小学生なんでしょ、やめなよー」と言われても、

「しゃおれんの旦那さんみたいに節制してもダメになるなら、俺はもう好きな物食べて死ぬんだ」という。

本当にね、夫さんはランニングもしてたし、煙草も吸わないのに肺がんになっちゃったからねぇ。

〇君は子どもの頃からタバコ吸ってビール腹で、血を吐いても治って、元気だものねぇ。

世の中って不思議。

私も節制とかしないで好きなもの食べて好きなことだけして暮らそうかしら。

 

これくらいの年になるとみんな色々あるけど、こうして会えるのはいいことですね。

 

この数日前に庭で転倒してレンガ花壇に手をついて、左手首にヒビ入っていてギプスにはならなかったものの痛くて仕方なかったけど、こうして非日常の中にいると痛さを忘れました。