今月も2本見ました。これまで映画を見る習慣がなかったので頑張っています。
「THE FIRST SLUM DUNK」
世界中にファンがいる大人気バスケマンガ(アニメ)の映画版。
セリフを熱く語れるくらいハマっている友人もいる。
私は去年江の島に住んでいる友人の家に泊りに行く前にネットカフェで一気読みして知った「俄か」です。
ネットフリックスで2話くらい見た昔のアニメと桁違いに絵がきれいで驚きました。
マンガで掲載されていた試合を、メインではない別の登場人物の視点で描くという手法で「スラムダンク」の世界を描いていました。
こういう部活マンガっていいですよねー。
ただ、スラムダンクだからと安心して見ていたのに、兄ちゃんに死亡フラグが立ったり、お母さんへ手紙を書いたりするので泣いちゃったり油断大敵でした。
友人と感想を述べあっていたら、「作者が脚本・監督を行ったから、思い入れがありすぎて、本当は削ぎ落してもいい部分も盛り込みすぎているよう」と言っていました。
確かに、今回の映画でメインとなった子の話が少し長すぎたかも。
続編が気になります。
「アート・オン・スクリーン ピサロー印象派の父」
ピサロの映画があるというので、品川まで見に行きました(品川でしか上映されていなかった)。
ピサロは、実は私と夫さんが仲良くなるきっかけとなった画家です。
何かの飲み会でたまたま「印象派が好き」という話になり「ピサロの淡い色彩が好き」と夫さんが言ったので(むむ、ピサロを知ってるなんて、ちゃんと美術館に行く人だ)と思って話が盛り上がったのでした。
ピサロは戦国武将に例えれば、藤堂高虎クラス。織田信長クラスを最高位として、真田幸村が次位なら、その次くらい。(私見です。でも、ルノアールやモネを知っていても、ピサロを知っている人ってそういない)
日本ではあまり知られていないけど、外国では人気があるのかしら?
この「アート・オン・スクリーン」のシリーズを今回初めて知りましたが、他は錚々たるメンバー(ミケランジェロ、モネ、ゴッホとか)だったので。
多分見に行く人は少ないと思うので書きます。
映画は、アシュモリアン美術館の展示を初めとした作品の紹介、キュレーターや研究家のインタビュー、手紙の朗読などとともにピサロの生涯をナレーションで紹介していきます。
絵の紹介だけでなく、絵の題材となった街も紹介しているので、旅行しているような気分になれました。
ピサロは「正直者の代名詞」とでもいえるほど実直で面倒見がよくて、のちに印象派と言われるようになるグループをまとめて展覧会を開催したりといい人なのに、絵がなかなか売れない。
ユダヤ系だったので苦労もします。
売れる絵を描くか好きな絵を描くか
映画でセザンヌと一緒にスケッチした絵が二枚並んでいるシーンがあったけど、ピサロはいまいち有名になれなかったなあと残念に思います。
当時流行っていた都市の風景ではなく、農民の暮らしをそのまま描いているからなのですが、最晩年になって街の風景を描くようになってやっと認められるようになります。
これを見て、妻にグチグチ言われるくらいなら、もっと若いうちに農村ではなく街の風景に転向すればよかったのにと思いました。
生活のために売れる絵を描いて、一方で好きな絵も描くようにすればいいのに、「みなに理解されない」と嘆くのっていかがなものでしょう。
題材を替えたとしても、絵のタッチは変わらず良さは失われていないのだから。
途中点描の技法を取り入れたりもしますが、それもまたよしです。
油絵だけでなく、版画やグァッシュ、水彩画と色々挑戦しているのもいいのに、日本ではあまり有名じゃないからもっとみんなに知ってほしい。
友人と話していたら、
「でも、売れようと思って描くとそういう下心は見破られてしまうから結局売れない」と言っていました。
その時は「それもそうか」と思ったけど、帰ってきてからも考えてしまいます。
家に絵を飾りたいと思うプチブル層が欲しい絵を描くということは悪いこと?
自分で描けないから画家の描いた絵を買うのであって、ストーリーやブランドで買うのではなければ、「欲しがる絵=売れる絵」でいいんじゃないかなあと。
ルノアールに描かせたように我が子をちょっと美化して肖像画を描かせたっていいんじゃない?
都会のプチブルが農民の絵をリビングに飾りたいかなあ。
モネのジベルニーの庭、ピサロのルーアンの街、ゴッホの南仏の教会・・・定年退職したら見に行こうねと夫さんと話していました。
コロナが落ち着いたら行ってきて夫さんに報告しないと。
夫さんが本当に急に病気で逝ってしまったから、私も先延ばしせずにどんどんやりたいことをします。とりあえず旅行くらいしかないから、旅行しまくります。