日々のあれこれーのんびりくらし

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終の棲家で花遊び❀

読んだ本あれこれ10月から11月

 本は買わずに借りることにしているのですが、話題の本だけでなく、色々な雑誌の書評の良いものなども選んだりしてます。(ただし、人気の本は半年待ちもざらですが・・・)いくつか読んだ本がたまったのでざっくり覚書替わりの感想を・・・
今回は、お薦めしたい本が無い・・・
 

宮部みゆき「桜ほうさら」

この人の作品ではどちらかというと時代物のほうが好きです。国許で冤罪により亡くなった父の無実を信じながら、江戸の下町長屋暮らしをする主人公。貸本屋や食べ物について当時の風俗もわかり面白~い、これも本筋と関係ない小さいエピソード満載でほっこりするのかと思いきや!最終盤、まさかの展開で後味の悪さを感じました。
ネタバレするので書けないけれど、宮部みゆきの現代ものって限りなく悪意のある人が出てきて(当人は自分のために生きているだけで悪意のある行為をしているつもりではないのかも)読み終わった後で辛い気持ちになることが多いのであまり読まないようにしているけど、今回のこれは時代物なのに表紙のかわいらしさに騙された・・・
 
 

桐野夏生「ハピネス」

この人の作品は実は初めて。本屋で積まれていて予約したのかな?
タワーマンションに住んでるママ友の世界が舞台で、着るものや遊びに行くところや子供のお受験など色々自己演出が大変だな~と、登場人物の誰にも共感できず。(唯一、主人公の義母や前夫の家族とかかな)めんどくさい~!何か最後にあるかと思ってついつい最後まで読んでしまい、主人公が微妙にハッピーエンドなのに納得いかず。
そして、これが「VERY」という雑誌に連載されていたのが笑える。その雑誌って、「こういう生活してみたいです」っていう願望が凝縮されてるものだから。(かかりつけの歯医者にあるので何回か見たことがある。子供を抱っこするのに白いシャツとかブランド物の時計とか、現実的でないなあ。タワーマンションの最上階に住んでいる人ならできるの?白いシャツによだれたらされてもにっこりって。私は安物だったけど、姪にサングラス踏まれて悲しかったよ)
そもそもVERYって副詞じゃん。「とても」何?(あ、かなり毒舌になっちゃった)
 

湊かなえサファイア

この人の作品も初めて。実は「告白」の映画も見てない。毒があるのかと思ったら、あっさりした短編で読後一週間もするとあまり記憶に残ってない。宝石にまつわるいくつかの短編集。
落選した元市議の妻が事件を起こし、その弁護にあたったのが高校時代の旧友だった話と、最後の2つの連作は面白かった。特に一番最後の話が復讐ものにならずにいい終わり方で救われた~。
やっぱり、最近ホントいい話好きになってる。(韓流ドラマでも時代劇が好きなのも、勧善懲悪だからかな~。トキメキたいからラブコメも好きだけど)
 
 

朝井リョウ桐島、部活やめるってよ

これってたしか映画だったかな。色々な登場人物がそれぞれの視点で考えているだけで、特に盛り上がりもオチもない。日常生活にそうそう盛り上がりも解決もないから当たり前か。
ただ、こんなに高校生って「上」のグル―プが「下」のグループを見下したり、自信喪失したりするものだったっけ?自分の高校はちょっとだけ進学校で、キラキラしてる人のほうが少数派だったから、もっさりした地味な私でものびのび暮せてたのかな。
「ハピネス」読んでからこの本読んで、世の人々が他人からどう見られるかを気にするということが少し分かりました。私は他の人が気にならないから自分もそのままでいいと思っていたけど、本当はもっと気にしなきゃダメなのね(笑)あ、もちろん佇まいの素敵な人とか憧れる気持ちはありますよ~(真似したいけど真似できないではいるけどね)
 

柴崎友香「フルタイムライフ

美大を出てOLになった主人公。会社生活の中で活躍することもなくなんとなく仕事をしつつ、先輩方とも楽しく過ごし、大学時代の友達とデザインの仕事をしたり、男友達にふられたり・・・主人公の会社はリストラもあり、「女の子」はキャリアアップもできないため、女性の先輩方は結婚でやめたり、会社に見切りをつけやめてしまう。一方で「腹は立つし、愚痴は多いけど、辞めたいとは思わない」先輩の言葉に気分が上がったり・・・
1年目ってこんな感じだったような。リストラもあるのに、まだ危機感もなく会社に不満もなく、毎月お給料が振り込まれることが新鮮って。会社に慣れる3年目くらいに彼女は何かを思うのかも。こんな日常の描写に引き込まれるって作者がうまいからですね。