日々のあれこれーのんびりくらし

日々のあれこれーのんびりくらし

終の棲家で花遊び❀

暇があったらアルバイト

今朝の北海道での大地震、先日の台風での被害にあわれた方たちが早く元の生活に戻れるようお祈り申し上げます。


本当は明日から登山の予定でした。

でも、残念ながら雨の予報。
 
ということで、ぽっかり予定が空いてしまったので、
ついつい入れてしまったのですよねぇ、日雇いバイト(笑)
 
一日暑い倉庫の中で汗をかきかき労働する。
それで得られるのは交通費込8800円。
安いと思うかどうか。
 
 
アパート経営で不労所得を得ていて、
今のところ事業資金の返済も納税もまかなえて、
質素な旅行なら楽しめて(私はそれ以外のおカネの使い道が無い)、
返済が終わればだんだん貯金もできるはず。
 
 
実家の会社の経理もほとんど無くて、
普段は事務のパートをしている。
扶養の範囲内の主婦の仕事だから月に14日、しかも一日6時間程度。
主婦だらけの職場なのに、すごく人間関係も良くて居心地最高(笑)
子供が熱出して突発休でも「お互いさま」と認めあえる。
私も大阪の義父の介護で2週間連続で休んだこともあったなあ。
 
お金は余ってはいないけど足りないわけでもない。
全く働いてないわけでもない。
 
それなのに、何も予定がない日。
ただ家にいると時間を持て余してしまって、
体力あるから働かなきゃとか思ってしまう。
数年前には、宅建や、ハングル検定の勉強をしていてパートの時間すら惜しい時もあったのに。
 
 
師匠(夫さん)は、「早く定年退職して、家でのんびりしたい」とかいうけれど、
家でのんびりも毎日じゃ飽きるよ。
 
会社に縛られず、不労所得だけで暮らしている人たちは
日々をどうやって過ごしているのかしら。
株などの投資もいいけれど、
実労働で得る給与は元本割れしないからなあ。
あと5万円を得るために何に投資するか悩むくらいなら、
日雇いバイトを6日いれれば確実。
 
 

2018夏読書メモ―逆側から読んでみる

 
春頃、黒岩重吾氏の古代史小説にハマってあれこれ読んでいました。
 
藤原不比等の存在がとても大きいので、今度は逆側から読んでみようかと。
男性の作家ではなく、女性作家の作品で。
 

永井路子「美貌の女帝」

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こちらは昔読んだことがある、持統・元明・元正の女帝側から見た古代史の小説。
前に読んだ黒岩重吾氏の小説では不比等天智天皇のご落胤という公認の秘密があり、
頭脳明晰でイケメンだったために近江朝廷の重臣の子でありながら持統女帝に引き立てられ出世していました。
 
が、こちらは全く逆。ご落胤説は全く無く、
ここのテーマは「蘇我の女が皇后、または国母になる伝統を邪魔する藤原氏との戦い」です。
そうだーーー、堅塩媛以来、確かに蘇我氏出身の皇后か、皇后でなくてもその子が天皇になったり、または女帝になっていたっけ。そんな見方があったか。
大友皇子も妃が十市皇女中臣鎌足の娘だから、天皇としては認められないと持統は言っている。徹底してるなー。(笑))
 
持統天皇元明天皇なんて、異母姉妹であり、嫁姑。登場人物たちがほぼ親戚。
蘇我石川麻呂の家系を再興するために不比等一族と闘っている感じでした。
 
文武天皇は妻が不比等の娘、生まれた皇子の妻も不比等の娘。
不比等の娘を皇后にしたくないけど、皇族の女性でつりあう人がいなくて悩んでいたり、
いっそ、文武天皇の子ではなく、同母妹の吉備親王の子を後継にするかと画策したり・・・
それだけ血が濃かったら、弱い子供になるのも仕方ない。
 
蘇我氏蘇我氏でも石川麻呂を讒言で滅ぼした赤兄を許せなくて、
赤兄の娘を妻にしたから大津皇子持統天皇は殺したという設定になっている。
 
長屋王の変聖武天皇の遷都あれこれなども「そうそう、こんな事件あったなー」と懐かしく読む。
同じ事件でも、見る方向が違うとここまで変わるのかと面白かったです。
 
教科書では、ここまでマニアックな話は習わないので、あくまでも好きな人にだけお薦めです。
 
 
 
 
さて、ここで共通するのは不比等だけでなく晩年の不比等のパートナー縣犬養三千代。
彼女は上昇志向が強くて、夫を捨てて不比等とともに藤原氏の基礎を作ったような女性。
作品を変えれば描かれ方も変わるかな?

梓澤要「橘三千代

 
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ずばり、彼女を主人公にした小説を読んでみました。
もともと、犬養という姓が分かるように屯倉の犬の管理をしていた中堅氏族の出身。
出仕し始めると持ち前の機転の良さと根性でどんどん出世していきます。
 
王族の美努王と結婚して子供を産んで、軽皇子(のちの文武天皇)の乳母になったあたりから、
持統・元明女帝に気に入られ、その後さえない美努王ではなく不比等を選ぶところがすごい。
前向きな主人公なので、なんら恥じる処もなく進んでいるけど、
これ、現代ドラマにしたらかなり感じ悪い女性かも。
産んだ子供たちより、乳母子たちの繁栄を第一にして、
自分を認めてくれる男性のために他の反対勢力たちも倒す。こっわー。
 
 
 
ちょっとこの辺で疲れたので、歴史小説はしばらく休もうと思っていたのに、
先月韓国の海印寺に行った時に、
「韓国って大陸と陸続きだから中国の王朝に何度も攻められているなあ」と今更ながら思い、
そんなことを描いた小説ないかな、と思って読んだのがこちら。
 

井上靖 「風濤」

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元に攻められ滅亡寸前になった高麗が、
元の苛斂誅求に苦しみ、いっそ属国となるほうがいいのかと公主の降嫁を請うたり、
辮髪したり官制も元の制度にしたり・・・
フビライが高麗の次は宋を滅ぼし、東の島国日本へ興味を示す。
朝貢するように何度も使節を送るのに日本はその元使に会おうともしない。
日本が元に朝貢するようにしてくれれば、征討軍が高麗に来ないから救われるのに、
日本はそんな高麗の事情を全く知らず、元の強大さも知らないので。
元軍のために船を作り、兵士、船の漕ぎ手等々に高麗の男はみな徴発され、
兵糧として収穫も取り上げられ、勝ったとしても高麗にはメリット無いのに戦争に巻き込まれる。
 
元寇自体は、全く描かれていません。
征討軍が出港しました、次の頁で、嵐により惨敗して逃げ帰ってきた程度の叙述です。
そう、延々と描かれているのは、ひたすらフビライの要求に耐え忍ぶ高麗王と忠臣たちの姿。
 
日本は無事国難を乗り切ることが出来て良かったとはいうものの、
対馬・九州地方では大きな被害が出て、その後鎌倉幕府も衰退する一因になったと習った気が。
 
だけど、高麗と比べたら中国と国境を接していないというのは歴史的にかなり影響が大きいことなんだなあと思いました。高麗だけでなく、李氏朝鮮時代も何度も攻められているし、古代も唐の支配を受けていたっけ。
 
 
自分の国さえ良ければ何やってもいいのか、っていうところは現代にもつながる問題で
(当然ダメなんだけど、そういう常識が通じない相手もいるのが現実で)
だけど、対抗するために武力増強しようという考えは、結局人口や資源などの国力の差で勝敗が決まるわけで、
(まさか、この時代に物資の不足は大和魂で、とか精神論持ち出さないですよね?)
どうにか軍事衝突だけは避けて世界が平和になってくれないかなーと祈るばかりです。
 
 

「赤松小三郎ともう一つの明治維新」を読んで

鹿児島出身の友人が今年の大河ドラマには不満があるらしい。
初回で、江戸にいるはずの斉彬公と幼少期の西郷どんと出会うシーンに「ありえない!」と怒りそれ以来見られなくなったとのこと。
私もロシアンルーレットのシーンで挫折・・・鈴木亮平さんの熱演ということですが、あんまりにフィクションが過ぎるとねぇ。

そんな友人に「もし、大河ドラマで扱うとしたら誰がいい?」と聞いたら
「赤松小三郎!」と即答。恥ずかしながら全く聞いたことが無い。
どこで出会った人?と聞くと、上田の旅行中に上田市の資料館で出会ったとのこと。

早速図書館で借りた本を読んだらこれがまた面白い、というかすごい人でした。

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信州上田の出身で下級武士の家に生まれながらも勉学に励み、
英語にも通じ、西洋の議会政治や兵学の研究もして、
慶応三年(1867)日本で初めて、普通選挙と議会開設、法の下の平等、個性の尊重など現行憲法に繋がる憲法構想を提案し、奔走した人でした。
薩摩藩士にも赤松門下がいて、東郷平八郎は「ロシアを撃破できたのも赤松先生の薫陶の賜物と言うべき」と言ったとか。(上田城址にある赤松小三郎の碑文には東郷平八郎が揮毫している)
しかし、藩の出自を問わず弟子を取ったため、幕府と通じたと思った薩摩藩士に暗殺されてしまったと。
(どうもそれは大久保や西郷が黒幕と考えれている)
後に「こんなに簡単に幕府が倒れるなら暗殺するのではなかった」と悔やまれたとか。


この著者は歴史家ではないので、むしろ、学会の暗黙の了解に従わずに自由に発言できるとして、赤松小三郎の生涯とその憲法構想、また「明治維新神話」、「長州レジームから日本を取り戻す」といった章立ててまとめていて、今まで知らなかったことが根拠とともに書かれていて目からウロコでした。


なぜ、赤松小三郎が歴史の表舞台から消されたのか?
西南雄藩出身の純粋な革命の志士たちが成し遂げた明治維新という神話には、
守旧藩出身の下級武士が先進的な民主主義思想を持っていたという事実は不都合であり、
その存在は無視せざるを得ないようです。


他にも、一般的に学校で教えられる歴史の常識では、
関税自主権がない」という不平等条約があったと思いますが、実際は少し違うようです。
当初、幕府がアメリカと結んだ関税は20%で、この割合なら国内産業の保護にもなったはず。
しかし、その後、長州が下関戦争(四国艦隊砲撃)の敗戦で、幕府は賠償金の支払いも負わされ、
改税約書で重量税方式で一律5%の関税率にするというイギリスの要求を飲まされてしまう。
イギリスは、阿片戦争で負けた清国と同じような悪条件を日本に押し付けたそうです。
明治新政府は、このような経緯を隠蔽し、「不平等条約を結ばされた幕府が悪い」という物語を作ったと。
元社会科教員の私も、恥ずかしながら教科書通りに教えていました。
関税率がどれくらいかなんて検証したこともなかったです。


薩土盟約も上下両院による議会制なども含んでいてそのような考えのもとに明治維新が進んでいればよかったのに、内戦を起こしてもうけたいという英仏の思惑もあり、薩長はあえて戊辰戦争を起こして反対勢力を打ち滅ぼし、専制政治を行いますよね。
いかにも、東北の諸藩が頑迷固陋だったかのような宣伝をして。
(以前に読んだ「維新の肖像」という小説もこちらの立場に似ているかも)
五箇条の御誓文のほうが赤松の「御改正口上書」よりはるかに後退しています。



そのようなことが丁寧に描かれてて本当に面白かったです!

最終章の「長州レジームから日本を取り戻す」の章は首相に読んでほしいかも(笑)

もともと、日本には「鎮魂」の思想はあったけど、靖国神社のような「招魂」の思想はない。
中国や朝鮮の道教の儀式にはあり、長州はそちらの影響を受けたんじゃないかと。
靖国神社に祖父が祀られている筆者は、祖父の魂を分祀してほしいと。
戦死者の魂を閉じ込めて、新たな戦死を強要するための装置とするために、祖父の魂を利用されたくないと。


私は非常に興味深く読んだのですが、
赤松小三郎を紹介してくれた彼女にこの本を紹介したら、ちょっと複雑な顔をしていました。
長州ほどではないけど、薩摩もあんまりよくは書かれていないから。


赤松小三郎のように、開明的な思想の人は幕府側にもいたと思います。
しかし、幕府が悪、だから明治維新が起こった。
明治維新によって、植民地かを回避し、日本の近代化が進んだという神話を維持するために
色々事実を隠蔽したり歪曲したりしているようです。

戦後の歴史観を「自虐史観」とかいう人たちがいますが、
この明治維新神話の見直しももっと進めばいいのに、と願います。



私は、幕末を大河ドラマにするなら河合継之助がいいと思うのですがどうでしょう?
「峠」を見てみたいなー。
本当は日本古代史がいいのですが、天皇家が骨肉の争いをするので問題になるかもしれませんね。


黒岩重吾氏の歴史小説にハマる

このところ、黒岩重吾氏の歴史小説にハマっていました。
 
壬申の乱前後から平城京遷都の時代までの時代を小説で追ってみました。
 

「天の川の太陽」

 
写真を撮る前に返してしまいました。
こちらは、古代の最大最後の内乱、壬申の乱をテーマにしています。
天智天皇は実子の大友皇子皇位を継がせようと、
弟の大海人皇子は近江朝廷でだんだんと政治的に疎外されていき、
吉野の離宮に逃れ、天智の死後大海人皇子が挙兵し勝利し、天武天皇になるまでの話は有名ですよね。
 
額田王を兄に奪われ、替わりに兄の娘を妃として迎え入れる。
妃たちと当時珍しく同居したり(これは後でゴタゴタするけど)、
身分の違う舎人たちや地方の豪族たちとも気さくに接して心から臣従され、
おおらかで細かいことを気にしない大海人皇子がだんだん追い詰められていくところと、
挙兵に向けて綿密に計画をたてていくところがメインです。
 
白村江の戦い前後、百済派と新羅派でここまで対立していたのか、とか
渡来系貴族や亡命百済人勢力というのがこんなに影響していたのかとか知らなかったので面白かったです。
壬申の乱って、たんに大化の改新後の改革と大友皇子への反発が原因と思っていたので。
 
乱に勝利しその宴の席で、
もう皇子だったころのように一緒に踊ったり飲んだりできない、という姿を見せるところで終わるというのが絶妙でした。
 
  
 
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「天翔る白日 小説 大津皇子

次に読んだのがこちら。これは学生の時に読んでいて、数十年たって再び読みました。
 
壬申の乱後、現人神になってしまった大海人皇子天武天皇)。
天皇にはずっと支えてくれた鵜野讃良皇后がいて皇后には草壁皇子がいる。
長子の高市皇子は母親の身分が低いので皇位のライバルにはあたらず、
母親の早世した大津皇子草壁皇子のライバルとみなされ皇后に憎まれ、
天皇の死後謀反の罪に問われ処刑されてしまいます。
大津皇子は、若いころの父天武に似ていると言われるほどおおらかで武術も漢学の才もあるとされ、
虚弱で凡庸な草壁皇子が皇太子となるものの、
天武天皇は大津を政治に参加させたりして朝廷内に派閥ができるほど。
 
学生の頃は、どうみても男らしい大津が可哀想、としか思わなかったけど、
大人になってから読み返したら、父に愛されて自分の才に酔っている甘い若者という印象も。
この小説での草壁皇子は全くいいところ無しだけど、
自分の美意識に殉じて、皇后のほうが修羅場を潜り抜けてきただけあって上手。
 
乱に勝利後、天武はどんどん妃を増やして、それまで支えてくれた皇后は自分の子に皇位を継がせるしか生き甲斐がなくなるというありがちな描き方もどうにかならないかなー。
年をとって太ってしまい女性としての魅力は若い妃たちには敵わなくなってーなんていうのは私にはあんまり。
妻として愛されなくなったからって、性悪が悪くなるっていう描き方は・・・
勝利後、兄天智天皇の娘たちを次々と妃にする天武天皇もねぇ。
凡庸な草壁より、できのいい大津を押すなら色々根回ししないと。
 
 

「天風の彩王 藤原不比等

大化の改新中大兄皇子の右腕となって活躍した中臣鎌足
死の直前に藤原の姓と大職冠を賜る。
鎌足の死後、壬申の乱がおき、乱の当時はまだ子供で隠棲していたので罪には問われなかったものの、
天武朝では鎌足の子ということでずっと任官されず、持統朝になってから急に出世をして、
後の藤原時代のもとを築く。
もともと中臣は神祇の家で連姓でそれほどの有力豪族ではないのに、
どうして?とも思われるけど、
不比等にはそもそも天智天皇の子ではないかという噂があり(これは歴史マニアのなかでは通説)
この小説では血族の結びつきを信頼する持統天皇に信頼され引き立てられたということになってます。
次々と妃を増やす夫天武よりも、父天智を懐かしく思うようになったとか。
おまけにこの小説では、不比等はすごい美男子でその点も女帝に気に入られたって。
それ、いるかなー(笑)
 
 
不比等は頭にくるほど賢くて計算ができて、おまけに自分を制することができて、
親の遺産とこの性格なら、多少スタートが不利でも出世できるだろうなあと思う描かれ方。
ただ弱点と言えば女性関係かなぁ(笑)
異母妹の五百枝郎女は天武の妃になって皇子まで生んでいるのに持統に頼んで譲り受けたり、
後年三努王の妻の縣犬養三千代を略奪婚したり。
どうして、わざわざ面倒な相手のものを欲しがる?それも自分の地位と権力の証と思うのかなあ。
三千代の場合は美貌というより、権力を得るためのパートナーとしてかもしれないけど。
 
不比等の加茂姫との間の娘が文武天皇の妃となり皇子を産んで聖武天皇になり、
三千代との間の娘がその聖武天皇の妃となり、その子供が孝謙天皇になる。
まさに娘を妃にして外戚として実権を握るという藤原時代の礎。
その間に政敵を倒していく。
努力だけではなく、強運の持ち主なのに、不安が消えないというのに少しほっとする。
人間の欲ってキリがないってことかも。
 
不比等から見た草壁皇子の描かれ方が自然で良かったです。
父と息子の関係、不比等の場合は特に複雑だし。
養父の田辺大隅がよろし。
 
 

「闇の左大臣 石上朝臣麻呂」

不比等と好対照の石上麻呂
もとは物部連麻呂で、蘇我VS物部の争い後、すっかり勢いがなくなっていた物部氏の出身で下級役人。
正史でも経歴がよくわからないが、当時としては驚くほどの長命で平城京遷都の時まで存命だったので
最後は最高位の左大臣になっていたという。
この小説の中では、下級役人としての逞しさがでています。
たまたま大友皇子の護衛隊長となり、壬申の乱の時に大友皇子の首を大海人皇子に届け、
「殉死もしない奴」として見下されても、
いつかは貴族になりたいとひたすら耐え忍び出世の機会を伺う。
間者として活躍したり、遣新羅大使にもなるのに、
年を重ねてしまうのになかなか位が上がらないことに悩んだりするところに、
庶民の私は共感してしまう(笑)
権力者たちの争いを外から見ているところも面白い。
 
黒岩重吾氏の絶筆ということですが、もっとたくさん書いてほしかったです。
 
 
このシリーズの他に「聖徳太子 日と影の王子」「斑鳩王の慟哭」(聖徳太子が主役)「紅蓮の女王 小説推古女帝」「落日の王子 蘇我入鹿」というものも面白そうだし、
ワカタケル大王や継体天皇の話もあるし、まだまだ私の中のブームは続きそうです。

 
 

妄想古代史(笑)

来月友人のお家にお泊りに行くことに。
その時に車を出してもらって北九州の古代山城を見に行けることに♪
大野城という大宰府の防衛のための古代のお城、
石垣が残っているそうなので楽しみ。
もちろん、私の好みの切り込みハギではないことは百も承知ですが・・・
 
ということで、今一度日本古代史を読み返すことに。
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「新 もういちど読む 山川日本史」

懐かしいーーー。
うすうすは知っていたけど、今の日本史って私が学んだり教えていたりしていた〇十年前とは違っていたのですねぇ。
仁徳天皇陵大仙陵古墳というし(建築年代と古事記に出てくる仁徳天皇の年代が異なるため)、
継体天皇も出てこないし、大化の改新は政変後の改革のことをいい、蘇我氏を打倒した政変のことは乙巳の変というそうですよ。
はっ、これって書きだしたらキリがないのでやめますね。
 
この山川の日本史、大人はもう一度読んだほうがいいです。
高校の時に世界史を学んだことがない師匠(夫さん)は世界史を読みたいというので、
こちらも図書館で予約。
師匠の時代は、日本史・世界史・地理・政経のうちどれかが必修だったようで世界史を学んだことがないようですが、今は世界史が必修で日本史を学ばない学生もいるらしいですね。
将来的に日本史と世界史が融合した歴史が必修となるそうですが、どんな内容なのでしょう。
とても気になります。
 
 

関裕二氏の「天武天皇隠された正体」

 
こちらはトンデモ歴史だけど意外と面白かったです。
昔から天武天皇天智天皇の弟ではなくて、異父兄弟ではないか?!説があることを知っていましたが、
この本ではその父をすごい大物に推測していました(笑)
ネタバレになるので書きませんが、ちょっと大物すぎ。
 
 
皇極女帝は舒明天皇と結婚して、天智天皇天武天皇と間人皇女を産むのですが、
その前に漢皇子を産んでいる。その漢皇子が天武天皇じゃないか、っていう話は有名なのですが、
私は関氏の説に半分納得、半分はちょっとねぇ・・・
 
 
以下は私の愚説です。
田村皇子(のちの舒明天皇)は特に力のあるわけでもない子連れの王族(宝皇女のちの皇極)と結婚するのですが、蘇我氏の法堤郎女を娶っていてすでにバックがあるのになんのメリットがあるの?って感じ。
多分すでに宝皇女はそんなに若くないし。
だけど、もし、その子連れの子の父が大物で、子供ごと元恋人をもらってくれるなら天皇にしてもいいよーって
言われたら案外受けちゃうんじゃないのかしらん。
田村皇子は舒明天皇として即位するし、
夫の死後、皇后だった宝皇女は皇極天皇として即位して、
その時に乙巳の変が起きますが・・・
乙巳の変が起きることを皇極女帝は知らなかったみたいだし、
漢皇子は青年くらいになっててもいいのに、乙巳の変中大兄皇子(天智)が中心で漢皇子も大海人皇子(天武)もまったく活躍していないあたり(少なくとも日本書記には全く出てこない)、
漢皇子って実はその大物の子供だったんじゃないのー?!
 
 
なーんて、宝皇女はすごい美人でたんなる略奪婚でそんな裏取引なんて無かったのかもしれないけど。
 
 
妄想です、すみません。
 
 
私が学生の頃は少女マンガに歴史ものが充実していて、
山岸涼子「日出る処の天子」で聖徳太子を学び、
里中満智子「天上の虹」で大化の改新から長屋王の変までを学び、
長岡良子「眉月の誓い」のシリーズで藤原不比等や倭女王などを学んだわー。
どれも本当に秀逸でした。
そうそう、不比等の父は本当は・・・とかもありましたねぇ。
 
今も天智天皇天武天皇のマンガがあるらしく気になります。
レンタルするかネットカフェで読み切るか。
 
私にマンガの才能があれば、漢皇子の話をマンガに描きたいです。残念。
 
 
 
 

もうじき引越し

我家の引越は来週ですが、鍵の受け取りは今日でした。
今日はあちこちで引越し業者のトラックを見ました。
 
 
分譲賃貸なので、今度の部屋は設備がいいので私としてはかなり気に入っている。
築年数が古いので、駅近なのにかなりお家賃がお得なのもうれしい。
早く引越ししたいー。
 
 
鍵を受け取り、部屋に入り、現況確認書というのを提出する。
(部屋の傷んでいる部分など入居前に貸主・借主ともに確認するもの。
修繕依頼ではない。あくまでも現況の確認のため)
多少床にへこみがあったり、壁が汚れていても、経年劣化だから仕方ない。
 
と、自分でも不動産賃貸業を営む私は思う。
 
が、かつて一軒家を持っていて(それは前のご家族にあげてきてしまったけど)、
賃貸に住むのは再婚してからで久しぶりという師匠(夫さん)にとっては、
自分以外がつけた傷やら汚れがすごく気になるらしい。
「この壁紙の継ぎ目、浮いていない?」「この敷居のここ、見てよ、へこんでない?」などと細かくチェックする。
学生の時のオンボロ下宿ではそんなに気にしていた?
 
 
「経年劣化は原状回復に含まれないよ。貸主が直すもので、借主の負担にならないよ」と言っても、
気になるところは気になるらしい。
とりあえず、目につくところは記入しましたが、
私が大家だったらこんなに細かいところ気にする人には貸したくない・・・。
 
新築ならともかく築年数はそれなりだし、お家賃リーズナブルなんですよ?
 
これまでの引越しは、私が再婚に慎重だったのでいつでも逃げられるように(笑)
家具や家電は私が人からもらったものをそのまま使っていた。
ダイニングテーブルがあったら便利と思いつつ、
IKEAの勉強机(私が使っていた物)をダイニングテーブルとして使う生活。
椅子もそれぞれが使っていたビジネスチェアー。
 
 
でも、先日家電も買い替えたし、
ダイニングテーブルも無印良品の「リビングでもダイニングでも使えるシリーズ」のテーブルとソファとベンチを購入。(カバーをオーダーしたので、届くのは来月中旬以降ですが)
 
気に入った家具や家電を買って、改めて新居感がわいてきました。
 
 
引越を前に海沿いの道を久しぶりに朝ラン。
秋に左足の指を負傷してからすっかり走ってなかったけど、季節は走るのに気持ちがいい。
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春は富士山が見えませんが、冬にはきれいな富士山が小さく見えます。
もう少し進むと千葉ロッテマリーンズの本拠地のQVCスタジアムが見えます。
引っ越したら、QVCスタジアムの花火が見られないのは少し残念。
 
今度のところは、ジェフ市原のホームフクダ電子アリーナが近いです。
私は野球もサッカーもほとんど知らないですが、楽しそうにスタジアムに向かう人々を見るのは好き。
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今のマンションに引っ越すまで住んでいた団地(今の場所のすぐ近く)はソメイヨシノが満開。

ものすごく桜が咲いているのに、花見をしている人はいない。
(まあ、毎日朝晩この下を通っているから)
ここも引っ越す前にと、お弁当持って夜桜見物。
街灯だけなので、あまりきれいに写真が撮れませんでしたがとってもきれいでした。
 
千葉に来てからの7年半、団地と今の場所と、とても住みやすかったです。
団地から今のマンション、そして次の場所と少しずつレベルアップしてる感じもうれしい。
引越が楽しみです。
 
 
でも、師匠のあのチェックを見ていたら、「賃貸に住むのに向いてないよー」と言いたくなりました。
荷作りも、師匠は自分の分だけ詰めていて、
台所、洗面所等々共有部分は私の担当らしい。
「お世話するくらいなら、入籍なんてしないで恋人同士でいるほうが負担がなくて楽だったわ。私は経済的にも他人に頼らなくていいんだし」とちらっと頭の片隅で思う。
 
「賃貸だと、色々なところに住めるから楽しいよね」と先日言っていたが、
今回引越ししたらしばらく動きたくないです。
次のところも住み心地がいいと良いなあ。
 
 

引越しの準備中です

今の賃貸マンションに住んで丸4年、
駅近で買い物便利、図書館に近くて、海にも近くてランニングする場所にも困らない。
理想的な場所だったのですが、隣の空き地に14階建てのマンションが建つことになり
毎日絶賛工事中(笑)
巨大重機マニアの人が喜ぶほどの大工事です。
立ち上がったら我が家は午前中は日が当たらないかも。
 
 
「どうせ賃貸だし、引っ越す?」
「いい物件があればね」なんて夫さんと話してネットで物件を見始めたら
これがまあとても楽しい。
千葉は都内に比べたら、駅近のいい感じのマンションでもそれほど高くないです。
沿線は総武線沿線にしようかと思っていたけど、夫さんの通勤には京葉線も捨てがたい。
2LDKのウォークインクローゼット付きもいいけど、
3LDKで広々暮らすのもいいよねぇ、なんて話しているうちになんだかとっても二人の好みの物件を見つけました。
 
 
早速不動産屋に連絡して内見したらこれまたいい感じ。
今は賃貸用の物件なので、やっぱり分譲賃貸はキッチンや洗面所が素敵。
あこがれのカウンターキッチンではないけど、
私のかわいい多肉植物たちを育てるのにちょうどいい出窓もあって。
「ここ、いいんじゃない?!」とその日のうちに申し込み。
 
今のように図書館やスーパーが近くにないけど、それほど不便でもないです。
しかも、今より2万ちょっと安上がり♪
 
 
でも、知らなかったんです。
この時期の引越しがどれほど大変かを・・・。
 
引越し業者の見積もりを聞いてビックリ!!
今の場所に来るときは4年前の2月ということもあり、2トンロングのトラックで42,000円でした。
(二人暮らしで2tロングって物が少ない私たち。)
今回は3tとはいえ、4月1日の日曜を希望したらその4倍以上の金額を言われ、はあああ?!
1週ずらして倍ちょっとの金額で手を打ったけど(それ以上ひきのばすと家賃が二重にかかるから)、
どうやら運送業というか引越し屋さんの一番の書き入れ時だったみたいです。
この時期の引越しはたいてい転勤で、費用は会社持ちのようですね。
私たちみたいに個人で引っ越す時は3,4月は避けないと危険。
とても勉強になりました。
 
 
敷金2か月に礼金1か月、仲介手数料なども入れるとそこそこな金額に。
たしかに家賃は安くなるけど、引っ越し費用も入れてトータルで考えると2年以上住まないと元は取れない感じ。
私の所有の単身者用物件は敷金1、礼金0だから、
引越しってお金がとてもかかるということを忘れていました。
(都内の中古アパートで礼金を取れるところはなかなか無い)
これを機に洗濯機や冷蔵庫も買い替えたいーーなんて言っていたけどちょっと保留かな(笑)
 
 
不動産屋でもらった契約の案内に、
「契約者と連帯保証人は原則65歳未満で、家賃の3倍以上の収入がある人」という項目に
夫さんが「あと10年たったら俺は借りられないんだ」としょげていました。
「その時は私が借りてあげるよー」と言ったけど、
確かに私の物件も65歳以上は内見すら断っているかも(笑)
 
 
私たちには子供がいないから、年下の私が後に残されて、
マンションなんか持っていても処分に困りそうなので今後も賃貸で行こうと思っています。
ご近所トラブルがあっても賃貸なら引っ越せるし。
年取ったら年金収入と家賃収入で入れる介護施設に入所してもいいし、と思ってる。
または、私の物件の2部屋をぶち抜いて3LDKとかにして、住み込みのヘルパーさんを雇うとか。
 
 
それに、今もすごい勢いでマンションを建てているけど、絶対にマンションは余るはず。
高齢者でも収入さえあれば入ってほしいと思う人が出てくるはず。
そんな考えは甘いかな。
 
 
引越しに備えて、ストックを使い切ったり、書類の整理などもしています。
私は物が少ないと思っていたけど案外たまっているものですね。
ラソン大会のTシャツは9割がた捨てました。記念の参加賞メダルもいらなーい。
夫さんも私に影響されたのか断捨離を進めています。
「好きなものだけで暮らす」という生活に近づけるはず。
とりあえず使っていた机も粗大ごみに捨てなくちゃ。
 
NTTには連絡したけど、これから電気水道ガス、ネットのプロバイダも手続きしなくちゃ。
夫さんは「住所変更めんどくさそう」と言ってますが、
住所変更はネットでできるものが多いです。
入籍にともなう氏名変更に比べたら何倍も楽だよー、と去年入籍して手続き大変だった私は言いたい。
 
 
でも、まさか急に引っ越すことになると思わず、
夫さんは先月ふるさと納税をたくさんしてしまい、
焼酎セットが3つの市町村から届いたり、
これから宮崎地鶏のレトルトパックやお米15キロも届くはず。
あと1か月しかないのに、それらを持って引越しになりそうです。
今月はミャンマー旅行もあって色々バタバタしています。
 
 

またまた投資の話

確定申告のシーズン。
やっと今年の所得税額がわかり口座の残高を確認して4月の引き落としに備えます。
 
ちなみに私の主な収入源は不動産収入。
都内某駅から3分の好立地に鉄筋コンクリート造の3階建9室のアパート(不動産屋のサイトではマンションと分類されるが、マンションとは言い難い)を経営してます。
 
去年は部屋が何回か空いたものの、その都度割とすぐに次の入居者の方が見つかったおかげで思ったよりも収入は下がらず。
重機が入るような大規模な水道管工事もして108万もかかったけど、15年かけて償却します。
色々経費もかかったけど、昨年の実質利回りは6.08%。
 
なかなか優秀じゃないですか?
買ったばかりはもっと家賃が高かったけど、
リーマンショック後のデフレ期に空き室が出るたびに泣く泣く家賃を下げ、やっと下げ止まった感あり。
 
これからは、メンテをしながら大事に維持していかないと。
幸い近所にライバル物件がないのが救いです。
 
 
我が家は実家の父が職人さんで中古の物件を購入し自分で直して賃貸業を始めうまく行ったのを見て、
私も始めたので投資と言えば一棟買いの不動産投資。
離婚しようと思った時に当時の会社にも不満があり人生をリセットしたくて、
それまで貯めた全財産を頭金にして今の物件を買ったのでした。
その後再婚することになりましたが、自分ひとりの力で返済をしているのが自慢。
 
最近、返済が終わる来年3月以降、そのお金をただ貯金するだけでいいのかという新たな悩みが・・・
 
 
現状9室なので、青色申告も事業規模に満たないということで10万円の控除のみ、
個人事業税もかかりません。
 
そこで、もう1室くらいワンルームマンションを買って、65万の控除を受けられるようになればどうでしょう?
将来、年老いて一人になった私が住めばいいし(8つ年上のダンナさんに置いていかれる前提)・・・
新たなローンを組んでも本拠の返済が終われば余裕だし、節税分で負担もそれほど増える気がしない。
あ、でも個人事業税がかかるようになるのか。
 
不動産賃貸業って、
共有部分の掃除は私がするので愛着があるのですが
(その分共益費は安くしています。借主さんたちも了承済)、
空き室が出るときゅうっと胃が痛くなるような気がするんですよねぇ。
借主さんから不具合の連絡が来てもドキッとするし(私は自主管理なので)。
 
 
株関係の投資をしているらしい夫さんにそんなことを話したら、
不動産に投資したいならリートにすればいいとか。
不動産関係の投信?
 
先週急にアメリカの株式市場が急落したそうですが、そういうのを聞くと株式って怖いと思ってしまう。
だけど、不動産賃貸業もこれから人口も減るし、どうなんでしょう。
 
夫さんの希望は配当で暮すことらしい。そんな夢みたいなことできるのかな?
 
あと1年あるので勉強してよく考えないと。
 
ま、私には子供がいなくて残す必要もないから無理に増やそうと欲かかないほうがいいかも。

iDeCoに挑戦 

先週、証券会社と国民基金から、iDeCOの準備が整ったとの通知が来ました。
 
早速、今月から引き落としが始まる。
 
そこで考えなければいけないのが、掛け金を運用する内訳。
株式や投信、国債すら買ったこと無い私は投資について全くの初心者。
 
楽天証券に口座を作ったので、まず楽天証券で買える品目を見ながら
説明の意味が分からず師匠(夫さん)に聞いたりする。

インデックス型とアクティブ型の違いって?なんてそこから始まるわけですよ。

イメージ 1
 
せっかくなので、株の雑誌(すごいざっくりした言い方)も買ってみた。
 
私のiDeCOの最初の設定は、
国内の株式と債券を過半数、海外の株式と債券も少し買い、定期預金も1割混ぜてみました。
師匠には「iDeCOに定期預金なんて意味ないんじゃないの?」と言われたけど・・・
まあ、様子を見て配分を変えてみようと思います。
 
 
でも、自分の努力と関係ないところで相場ってできているようでイマイチ信用ならない。
 
投資の雑誌を読んでいると、
みんなすごく研究しているのですねぇ。
 
師匠は性格的に多分それなりに老後の貯金をしている様子(金額は知らない)
私も自分の事業資金の返済が終われば多分大丈夫。
 
最近よく聞くけど、投資や運用しないとダメなのかな?
 
 
私は死ぬ時に使い果たしたっていいよねくらいの気持ちでいるのだけど、
(資産のアパートが壊れない限り家賃が下がっても年金の足しにはなるはず)
師匠は定年退職後、通帳を見て「貯金がどんどん減っちゃう」と心配しそう(笑)
「お子さんに残したい分を残して使い切っても私が養ってあげるよー」と先日言ったら、
「そんなこと言ったって、しゃおれんのアパートが大地震で壊れたらどうなるの?」と。
 
都内の鉄骨造りのアパートが壊れるほどの大地震なら、
すでに首都壊滅ってくらいの勢いなわけで、インフラも心配だし、
生き残るかどうかくらいの話なんじゃないの?
治安が悪くなったら年寄り夫婦は生き残れないでしょう。


生き残ったとして、私には土地が残るし負債がないからどこか地方に移住して時期を待つことができるけど、
マンションのローンがある状態でマンションに住めない人たちが多く発生するような状態になったら、
その貸付金も焦げ付いて日本の銀行も倒産しそうだし、もうなるようにしかならないんじゃない?
 
ってなことを考えると怖いので、
そうならないことを祈りつつ、そんな心配をしながらくよくよ暮らすより
元気なうちは楽しく旅行したり(どうせ私たちのことだから貧乏珍道中にしかならない)、
趣味三昧(多分将棋や木彫や読書という地味な趣味だし)でつつましく暮らしていけばいいんじゃないかな。
病気にならなくたって年をとったら旅行もできなくなるし、
元気なうちに楽しいことして暮らしたい。
 
お気楽に考えすぎ?
 
 

「ビルマの竪琴」とインパール作戦

この正月に「戦慄の記録 インパール」というNHKの番組を見ました。
 
太平洋戦争中の悲惨な記録として必ずあげられる作戦ですが、
詳しいことはあまり知らなかったので見ていて勉強になりました。
 
対イギリス戦の重要なインドのインパールを攻略するために
ビルマから川幅600mの大河と2000m級の山脈を470kmを越えて行軍するという。
しかも短期攻略という作戦のため3週間分の食料しかなく、
兵站もなにも考えないままで、数か月に及んだ作戦では戦闘による死亡もさることながら
作戦中止後も含めると病死・餓死が6割にも及び3万人が命を落としたと言います。
 
その行軍路は「白骨街道」と呼ばれています。
 
驚いたのが、この無謀な作戦が初めから無理と分かっていたのに実行されたということ。
太平洋戦争の初期、ビルマ全土を攻略した余勢をかってインドに侵略しようとするも、
補給路や行軍路の難しさから保留となったのに、
戦況の悪化に伴い、勝利のために戦況の打開のためにインパール作戦を実行しようとなったと。
大本営の希望を聞いた牟田口中将が「ぜひ、勝利のために」と周囲の反対を押し切ったと。
補給ができないから無理との意見にも「卑怯者、大和魂はあるのか」と一喝、
作戦の変更を求める師団長たちからを怒鳴りつけ(独自の判断で撤退した師団がいたという戦時中あり得ないことまで起きる)・・・
 
 
田口司令官が作戦参謀に「どのくらい損害が出るか」と質問して「5000人殺せばとれると思います」と返事があった。敵を5000人殺せば攻略できることかと思ったら、味方の師団で5000人の損害がでるということだったと、斎藤少尉の回想にありました。
どれだけ死んだら陣地が取れるという上層部の考えをよく聞いたと。
隷下の軍人たちの命を数でしか考えない姿に憤っていました。
斎藤少尉は撤退中に病気になったため置いていかれ捕虜となったものの、
戦後日本に帰国され結婚し家族に恵まれたと聞いて一安心。
 
この番組は昨年の夏の再放送らしく、ネットで見たら色々な批判も多かったですが、
(描き方が軍上層部の批判ばかりだったため)
やっぱり戦争というものを考えるときにはこういった番組を見た方がいいと思います。
事実の一面にすぎないかもしれないけど、事実だから。
 
生き残り兵の証言として、遺体は兵や軍属、現地の住民が多く、
司令官クラスの人はいないというのも印象に残っています。
 
戦争に大義はあるかという問題については大きすぎるので今回は触れず。
 
ただ、私はどんな理由があっても始まってしまったら暴走して山火事のように広がっていくように思います。
だから、戦争にならないように努力をすべきだと。
 
今、隣の半島でミサイル開発をしている国に対して圧力をすべきという政策をとっているけれど、
太平洋戦争前の日本が石油の禁輸などの圧力をかけられて戦争につながった面もあることを考えると、
圧力だけが正しいのかわかりません。やぶれかぶれになりそうで。
かといって、従来のように対話路線でここまで来たと思うとそれもねぇ。
 
 
と、ここからやっと「ビルマの竪琴」です。
 
すでに二度ほど映画化されていますが、ほとんど覚えていない私は初めて読む小説が新鮮でした。
ドイツ文学者の竹山道雄氏が童話として子供向けの雑誌に連載したものです。
だから文体がとても教育的というかやさしい口調。
ビルマにいったことがない作者が習俗を知らないままに書いたそうですが、
なぜビルマかというと「敵国と歌を通じて戦闘を中止したというシーンを描きたくて、そのためには日本人が知っている歌で実は外国の歌「埴生の宿」や「蛍の光」などがあるのはイギリス、ということで舞台をビルマにしたと。
元は中国を舞台にしたかったのだが共通の歌がないためできなかったと。
 
戦後、反戦の機運が高まっている中、戦争で亡くなった人々の冥福を祈るような気持ちが新聞や雑誌にのっていなかったので、そういう思いで書いたと小説の後にあった「ビルマの竪琴ができるまで」にありました。
 
日本人ならざっくり知っているあらすじ。
「音大出の隊長が歌を教えてくれたその隊は歌を歌って士気を高めたり心を慰めていた。
水島上等兵ビルマ人に扮して自作の楽器で演奏して偵察をしていた。
終戦後も立てこもって戦闘を続ける日本軍の部隊に投降を進めるために水島上等兵が赴くも
行方不明となり、収容所にいた同じ部隊の人は心配する。
そんな中竪琴をもち、インコを肩にのせたビルマ人僧侶に見かけると水島上等兵にそっくり。
あの僧は水島か?なぜ、部隊に戻らないのか?仲間が心配する中、
隊長はインコに「一緒に日本に帰ろう」と言う言葉を教えて僧の元へ。
部隊に戻ってきたインコは「やっぱり日本に帰るわけにはいかない」と繰り返す。
日本に帰還する船の中で、読んだ手紙には
水島上等兵のこれまでのいきさつと、その道筋で出会った多くの遺骨を見てこれを埋葬し鎮魂するためにビルマに残ると書いてある。
 
 
子供向けということで、悲惨な戦闘シーンの描写はなく、
途中水島上等兵が首狩り族に助けられたり
ビルマにそういった習俗の民族はいないが、冒険的な一面として挿入したのでしょう)、
反戦というより色々考えさせられる問いが多かったです。
 
しかし、ビルマの僧侶は音楽を禁じられているので竪琴をもつこともないそうですが、
ビルマ人に扮して脱走した兵士も多いようです。
モデルとされる人もいるようですが実話ではないそうです。
ただ、敬虔な仏教国のビルマでは映画は上映されていないようですが。
 
収容所で
のんびり、にこにこして暮らしているビルマ人のほうが幸せなのじゃないかと誰かが言うと、
なまけものでいるから植民地にされたんじゃないかと反論したり、
日本は一生懸命近代化して素晴らしいじゃないかというものもあり、
でも、その一生懸命突き進んでこの戦争で負けたならどうなんだろう、といった問答をしているシーンがありました。
(本を返してしまったので、正しい引用ではないですがこんなニュアンス)
 
「一生のうち、一度は軍服を着るのと、袈裟を着る国はどちらがいいのか」と言ったセリフもあったような。
ビルマの男性は今も短期間ながら出家する制度があるそうです。
 
水島上等兵があまりに多くの遺骨が野ざらしになっているのを見て、
日本に帰るわけにはいかないと思うのって、
インパール作戦」の番組を見たらさもありなん。
 
水島上等兵が同じ部隊の皆が呼びかけても、「やっぱり日本に戻るわけにはいかない」と決意する。
泣きましたーーー。絶対に日本に帰りたいはずなのに。
きっとそれこそすごい数がひどい状態だったのでしょう。
 
 
普通の兵隊さんたちは日本が勝つと信じて闘っていて、
人を殺したり、殺されたり、病死したり、餓死したり、
普通の生活ではありえない体験を強いられたというのが戦争の怖いところだと思います。
 
それなのに、司令官たちは命を数としてしか考えていない。
戦場に残されたご遺体を埋葬していたら作戦の無謀さ悲惨さに気が付いたかも。
 
戦争で亡くなられた多くの方々、兵隊さんだけでなく、日本国内外で戦争の悲劇に遭われた方も多かった。
その多くの方のご冥福をお祈りいたします。
 
そして、このような悲劇がおきないために私たちができることを考えないと。
おそらく私は作戦を考えるほうではなく、作戦を遂行させられるか協力させられる側。
きっと数としてしか認識されない側。
 
 
先日聞いたラジオ番組で紹介された言葉
「君たちに戦争責任はない。ただし、悲劇を繰り返さない責任はある」
 
本を読んでからも、番組を見てからも考えがまとまらず時間がたってしまい、
いつものように長々と失礼いたしました。